目黒記念
レース回顧
クリプトグラムは中団の外からメンバー3位の34.2秒で伸びてマリアライトとの叩き合いをクビ差で制した。デウスウルトが逃げて前半5F61.2秒のスローペース。中盤から12秒台前半のラップが続き、ラスト3Fは全て11秒台。末脚の持続力が問われるレースになった。クリプトグラムは道中マリアライトをマークして進み、直線で外から交わしてからは遊びながら走っていた。前走大阪−ハンブルクCを勝ったが、52キロだったため、ハンデは2キロ増でも54キロ。ハンデ戦を軽ハンデで勝った馬は一気にハンデが重くならず、有利になる傾向があるが、その通りの結果になった。これで1000万条件から3連勝で重賞制覇。今後の活躍が期待されたが、左トウ骨遠位端骨折で6ヶ月以上の休養を要する見込みと発表された。
マリアライトは中団からメンバー4位タイの34.4秒で直線で抜け出したが、最後にクリプトグラムに差されてクビ差の2着。勝ち馬より2キロ重い56キロ(牡馬完全58キロ)を背負っており、実質は勝ちに等しい内容。1コーナーで不利があったが、最後にしぶとく盛り返したように力があることを示した。昨年エリザベス女王杯を勝ち、有馬記念で0.1秒差の4着に入ったのはダテではない。切れより地力タイプのため、馬場が少し緩いくらいの方が持ち味を生かせる。そのあたりの条件が揃ったときは牡馬混合G1でも要注意。
ヒットザターゲットは中団の内からメンバー6位の34.5秒で伸びて0.1秒差の3着。重賞4勝は全て内枠。5枠10番スタートから小牧騎手が内に入れて内ラチ沿いをロスなく回ってきたことが功を奏した。小牧騎手が馬の持ち味を考慮してかなり上手く乗っている。今年8歳になった昨年の目黒記念勝ち馬が、昨年より1キロ重い58キロを背負って8番人気で穴をあけた。今年の重賞は高齢馬の激走が目立つ。
レコンダイトは中団の後ろからメンバー4位タイの34.4秒で伸びて0.2秒差の4着。直線で前にマリアライト、外にクリプトグラムがいて追い出しが遅れたことが堪えた。そこがスムーズなら3着があったかもしれない。昨年の目黒記念2着馬。前走大阪−ハンブルクCは不可解な惨敗だったが、昨年と同斤の55キロで見せ場を作った。
タッチングスピーチは後方2番手からメンバー2位の34.0秒で馬群を捌いて追い込んで0.4秒差の6着。ひと息入れて馬がボケていたのか、行きっぷりが悪く、直線だけのレースになった。ダービーをハナ差で負けたルメール騎手の影響もあるのか。相馬眼的にこのメンバーでこんな負け方をする馬ではない。本来は古馬G1戦線で戦える馬。
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