宝塚記念
レース展望

過去10年で1番人気は[3−3−2−2]で6連対。4、5歳馬が休み明けでなければ[3−3−1−0]。前走G1で連対した4、5歳馬は信頼度高い。前走ドバイシーマクラシック2着から直行したジェンティルドンナは3着に終わった。2番人気は[2−2−0−6]で4連対、3番人気は[1−1−2−6]で2連対。

1、2番人気の決着は1回のみ。6番人気以下が6連対と多く、1番人気と6番人気以下、または2〜5番人気の組み合わせで中穴決着になることが多い。最近5年の馬連は16倍、10倍、51倍、89倍、129倍。昨年は単勝1.9倍のゴールドシップが出遅れて15着に終わり、6−10番人気で万馬券決着になった。

連対馬20頭のうち10頭にG1勝ち、4頭にG1−2着、6頭にG2勝ちがあった。前走天皇賞(春)に出走した馬を除くと連対馬11頭全てが前走4着以内に入っていた。データ的には前走好走したG1、G2実績馬を重視。前走天皇賞(春)は10、11、12着に惨敗した馬が巻き返しており、着順は問われない。

年齢別では4歳[5−2−5−32]、5歳[3−5−2−33]、6歳[2−2−2−21]、7歳以上[0−1−1−28]で4、5歳馬が活躍している。4歳馬は3番人気以内なら[4−2−3−6]で複勝率60%。7歳以上の高齢馬は07年以降[0−0−0−26]で3着以内がなく不振が続いている。

阪神で行われた9年の連対馬18頭のうち17頭に阪神芝で勝ち星があった。近年は荒れ馬場か高速馬場か両極端で馬場適性が問われる。当日の馬場がマッチする阪神巧者、特に阪神で重賞勝ちがある馬に注目したい。阪神は土曜まで曇り時々雨、日曜が曇りの予報。渋った馬場で行われる可能性が高いことを考慮したい。

ドゥラメンテは[5−3−0−0]で昨年皐月賞と日本ダービーを制した。今年は骨折明けの中山記念を57キロを背負って早め先頭からアンビシャス(55キロ)を完封してクビ差で優勝。前走ドバイシーマクラシックは馬場入り後に右前脚を落鉄し、蹄鉄の打ち直しができず、裸足のまま走って2馬身差の2着に入った。

蹄鉄の打ち直しができなかったのは、蹄に問題があったのではなく、馬が嫌がった模様。今回は初めての関西遠征、初の58キロ、初の夏場のレース、渋った馬場にリスクがあるが、ドバイ遠征明けでどこまで仕上げてくるか。ちなみにドバイターフを勝ったリアルスティールは、安田記念で11着に惨敗している。

過去10年で前走海外に出走した馬は[1−1−1−8]、前走ドバイシーマクラシックは[0−0−1−2]で2、1着のジェンティルドンナが1、3番人気で3、9着、3着のワンアンドオンリーが4番人気で11着に終わっている。ただし、ジェンティルドンナは阪神の重い馬場が合わなかったこともある。

Mデムーロ騎手は皐月賞のリオンディーズで降着になってからリズムがおかしくなり、その後重賞では[0−1−2−7](全て5番人気以内)で1連対のみ。ドゥラメンテでは[3−1−0−0]だけに杞憂に終わるか。秋に凱旋門賞に挑戦するスーパーホース。ファン投票は6位だったが、あらためて実力を示せるか。

キタサンブラックは[6−1−2−1]で菊花賞と天皇賞(春)を制覇。昨年の日本ダービー14着を除き3着以内を確保している。休み明けの大阪杯はアンビシャスにクビ差で負けたが、2キロ重い58キロを背負っていた。前走天皇賞(春)は1枠1番から内ラチ沿いをマイペースで逃げ、ラスト4Fを11秒台でまとめて優勝。

直線で一旦カレンミロティックに前に出られたが、最後に差し返してハナ差で制した。昨年秋以降は[3−1−1−0]。地力が強化され、崩れにくくなっている。これまで前半5F60秒以上では[5−1−1−0]で複勝率100%。スローペースで前に行って高速ラップでまとめて粘り込むのが勝ちパターン。

皐月賞3着は前半5F59.2秒、日本ダービー14着は前半5F58.8秒だった。流れが速くなったときに真価が問われる。過去5年の宝塚記念の前半5Fは58.7秒、58.4秒、58.5秒、62.4秒、62.4秒で両極端。単騎で逃げられそうなメンバーだが、特に2頭出し厩舎の動向に注意したい。

アンビシャスは[5−1−2−2]で重賞2勝。2走前の中山記念は後方からメンバー最速の33.6秒で伸びてドゥラメンテにクビ差の2着。前走大阪杯は2番手からメンバー2位タイの33.4秒でまとめ、逃げたキタサンブラックをクビ差交わして優勝。中山記念は勝ち馬、大阪杯は2着馬より2キロ軽い斤量だった。

1、2番人気になる馬と接戦したことで3番人気か。定量戦で58キロを背負うが、56.5キロまでしか経験がなく、距離も2000mまで。課題はあるが、馬の勝負根性は相当なものがある。宝塚記念はG1初制覇を飾る馬が多いレースだけに初栄冠もあるか。鞍上は昨年ゴールドシップに騎乗していた横山典騎手。

ラブリーデイは昨年宝塚記念と天皇賞(秋)を制したが、今年は善戦止まりが続いている。敗因はあるだけに叩き3戦目で良馬場なら復活するか。鞍上はルメール騎手。マリアライトは昨年の有馬記念では早めに動いて0.1秒差の4着に粘った。稍重以上では[3−0−1−0]で稍重のエリザベス女王杯を制している。

天皇賞(秋)2着馬ステファノス、天皇賞(春)2着馬カレンミロティック、同3着馬シュヴァルグラン、京都記念勝ち馬サトノクラウン、鳴尾記念勝ち馬サトノノブレス、ジャパンC2着馬ラストインパクト、昨年のローズS勝ち馬タッチングスピーチ、一昨年の菊花賞馬トーホウジャッカルなど挙げたらキリがない。

ステファノスは叩き2戦目[2−2−0−0]で富士S1着、クイーンエリザベス2世C2着、天皇賞(秋)2着がある。叩くと一変する藤原英厩舎の管理馬。渋った馬場はこなせるが、距離1F延長がカギ。サトノクラウンは重馬場の京都記念を先行抜け出しで3馬身差で圧勝。堀厩舎は2頭出し。馬場が渋ったら要注意か。

今年は雨で馬場が渋るのかどうかとキタサンブラックが単騎マイペースで逃げられるのかどうかがポイント。日曜は曇りの予報のため、馬場が乾く途中でのレースになりそう。宝塚記念はG1初制覇を飾る馬が多く、かつ人気馬と人気薄で決着することが多い。人気の盲点になった馬の粘り込み、突っ込みに注意したい。

[Home]