CBC賞
レース回顧
レッドファルクスは中団の後ろからメンバー最速の32.7秒で差し切って重賞初制覇。ベルカントが逃げて前半3F33.8秒。勝ちタイムは1分7秒2の高速決着。レースのラップは12.2−10.7−10.9−10.9−10.8−11.7秒で10秒台のラップが4F続いたが、2番手につけた馬と逃げた馬が2、3着に粘っている。前が残りやすいにも程がある馬場。中京は基本的には重い馬場だが、高松宮記念の日と同様に高速設定だった。レッドファルクスは前に行った馬が残る中、唯一外から伸びて差し切ったのだから大したもの。これで中京芝は3戦3勝。前走欅Sを1分22秒6の好タイムで勝ったように地力強化は明らかだったが、芝のスプリント重賞でもやれることを示した。心肺機能が高い馬で厳しい流れになった方が持ち味を生かせる。スプリント重賞は一部上位の馬を除きレベルが低いため、別路線組が活躍する傾向がある。レッドファルクスはダートを使ってきた別路線組だった。今後はサマースプリントシリーズ優勝とスプリンターズSが視野に入る。左回り巧者のため、右回りで同じ脚を使えるかが課題になるが、高速決着に対応できたことは今後につながる。Mデムーロ騎手は皐月賞降着後リズムがおかしくなったが、ようやく調子が戻り桜花賞以来となる重賞制覇となった。この夏は特に注意したい。
ラヴァーズポイントは2番手からメンバー5位タイの33.3秒で上がってクビ差の2着。10秒台のラップが4F続く展開でも前が残りやすい馬場を味方に粘り込んだ。前走1600万条件で6着に負けた馬が軽ハンデ50キロで激走した。函館スプリントSでは50キロのソルヴェイグが勝っている。スプリント重賞はメンバーレベルが低いため、外部条件と軽量で激走できるのだろう。ラヴァーズポイントは7〜9月[3−3−3−4]で夏に調子を上げる牝馬。レース当日はかなり暑かったため、暑さに強い牝馬が有利になった面もあるのだろう。50キロで2着に激走したが、ハンデ重賞で軽ハンデで激走した馬は一気にハンデは重くならない。おそらく次走北九州記念はハンデ52キロ。前が残りやすい馬場なら注意したい。
ベルカントはハナを切って直線でしぶとく伸びたが、2頭に交わされて0.1秒差の3着。前残りの馬場を味方に粘り込んだが、2着ラヴァーズポイントより5.5キロ重い55.5キロを背負っていた。勝ったレッドファルクスは56キロ、ベルカントは牡馬換算で57.5キロ。それを考えると上々の内容といえる。ドバイ遠征明けでパドックを見る限り、仕上がりは8分程度だった。7〜9月は[3−1−1−2]で夏場に走る牝馬。昨年はアイビスSDと北九州記念を連勝したが、今年も同じローテーションでサマースプリントシリーズ優勝を狙うことになりそうだ。昨年と同様にアイビスSDで外枠に入ったら要注意。
サドンストームは4番手からメンバー5位タイの33.3秒で伸びて0.2秒差の4着。ルメール騎手が前残りの馬場を考慮して前につけたが、そのぶんいつもより切れる脚を使えなかった。速い持ちタイムがないため、高速決着になったことも堪えている。ハイペースで前崩れになるか、馬場が渋るか、条件待ちになる。
スノードラゴンは出遅れて後方からメンバー2位の33.0秒で追い込んで0.4秒差の6着。前走増えた馬体が絞れて仕上がりは良かったが、前が残る馬場&展開で58.5キロを背負って出遅れては厳しかった。高速決着にある程度対応できるが、本質的に時計の掛かる馬場が合うタイプ。8歳馬でも大きな衰えはない。重い馬場で注意したい。
エイシンブルズアイは1番人気に支持されたが、4番手から伸び切れず9着に終わった。前残り傾向の馬場を考慮して先行したが、直線で切れる脚を使えなかった。追い込んだ前2走と違うレースに馬が戸惑ったこともあるが、休み明けで馬体が8キロ増え、過去最高だったことも堪えたのだろう。次走はセントウルS。差すレースに戻しそうだが、セントウルSは開幕週で前が残りやすい点がどう出るか。
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