函館記念
レース回顧
マイネルミラノは好スタートからハナを切って前半5F60.0秒のマイペースで進み、直線で後続を引き離して2馬身差で圧勝。勝ちタイムは1分59秒0(稍重)。内ラチ沿いをロスなく回ってきた3頭で決着した。昨年の函館記念は前半5F58.6秒で飛ばして直線で失速したが、今年はスローペースで逃げてラスト5Fを全て11秒台のラップでまとめて逃げ切った。芝2000mで前半5F58〜59秒台では[0−1−0−5](新潟記念2着)だが、60秒以上では[4−0−1−1]。前半5F60.0秒のゆったりとした流れで進め、しかも後続からプレッシャーを受けなかったことが大きかった。内を通って前につけた馬が有利な展開&馬場で有力馬が後方から外を回すレースになったことも良かったのだろう。ステイゴールド産駒で稍重の緩い馬場も合っていた。重賞11戦目でようやく初制覇。今後はサマー2000シリーズの優勝を目指して新潟記念、または札幌記念に出走する予定。今後も競られずにマイペースで進められるかがポイントになる。
ケイティープライドは内ラチ沿いの5番手からメンバー5位の35.4秒で伸びて0.3秒差の2着。スタートを決めて内ラチ沿いをロスなく回り、直線で浜中騎手が内から捌いてきた。後半5Fが全て11秒台のラップになり、3、4コーナーで外を回って追い上げた馬は騎手の手が動いていたが、内を通ったケイティープライドは馬なりのまま直線までタメることができた。内をロスなく回って前に行った馬が有利な展開、馬場になったことがかなり大きかった。昨年のTVh杯では同じようなレースをして勝っている。その経験も生かせたのだろう。これまで芝1800mまでしか経験がなかったが、距離を克服してパフォーマンスを引き上げた。ただし今回は軽ハンデ52キロを含め、恵まれた部分があったことを考慮しておきたい。
ツクバアズマオーは内ラチ沿いの中団からメンバー2位の35.3秒で伸びて0.5秒差の3着。ケイティープライドと同様に内ラチ沿いをロスなく回り、馬なりのまま直線までタメることができた。5枠10番スタートだったが、吉田豊騎手が内に入れてロスなく回ってきたことが大きかった。北海道の洋芝巧者で相手なりに走るタイプ。今年は[2−0−3−1]で5着以内を確保。着実にパフォーマンスを引き上げている。マイネルミラノと同じステイゴールド産駒。緩い馬場では要注意。
バイガエシは後方からメンバー最速の35.2秒で追い込んで0.8秒差の5着。内を通って前に行った馬が有利な展開で大外を回って追い込むレースでは厳しかった。藤岡佑騎手は流れが緩んで前残りになることを想定していたが、中途半端な位置でゴチャつくよりはいいと思って外から差すレースをした模様。1番人気に騎乗する騎手がこういう考えというのは、先が思いやられる。本命で狙わなくて良かったのいうのがせめてもの救いか。能力的には勝ったマイネルミラノと遜色ないが、まだレース慣れしておらず、脚質が安定していない。それでも自己条件に出走すれば、すぐに勝ち上がれる。
ネオリアリズムは中団の後ろからメンバー8位の35.7秒で伸びて0.9秒差の6着。道中頭を上げて折り合いを欠いていた。昨年夏に復帰以降、前半5F59.4秒以下なら[3−0−1−0]だが、60秒以上では[0−0−0−3]。流れが緩んで折り合いを欠いたこと、内を通って前に行った馬が有利な展開になったことが堪えている。乗り難しい馬だけにテン乗りのティータン騎手の影響もあったか。重賞では7、3、6着と善戦止まりが続いているが、折り合って力を発揮できれば勝てるだけの力を持っている。次走札幌記念は流れが速くなるかがカギ。2戦2勝のルメール騎手を乗せてきたら要注意。
トゥインクルは中団から伸びきれず8着。内を回って前に行った馬が有利な展開で末脚不発。直線でごちゃついて目一杯に追えなかったことも堪えている。芝2000mでは流れが速くなって前が止まるような展開にならないと厳しい。北海道の洋芝巧者で調子はいいため、次走長い距離に使ってきたら注意したい。
レッドレイヴンは後方を進み、勝負どころで大外から捲ってきたが、直線で伸び切れず9着。位置取りが悪くなり、ラップが上がったところで外を回って追い上げたことで直線で余力がなくなった。切れより地力タイプのため、前半の流れが緩んで上がりが速くなるレースでは厳しい。芝2000mより流れが速くなりやすい芝1800mの方が合っている。
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