小倉記念
レース回顧

クランモンタナは押して2番手につけ、直線で早めに先頭に立ち、メンバー5位の36.0秒でそのまま押し切ってレースを制した。メイショウナルトが逃げて前半5F60.5秒のゆったりとした流れ。クランモンタナは3コーナーから和田騎手の手が激しく動き、鞭も飛んだが、最後までしぶとく伸びて重賞初制覇。いつものようにズブさを出したが、剛腕の和田騎手がこれでもかと目一杯に追って持ってきた。ラスト6Fから11秒台のラップが続き、ラスト1Fが12.6秒に落ちたが、後続がごちゃついたこともあり粘り込めた。小倉記念は新潟芝2000mで実績のある馬が激走することが多いが、クランモンタナは14年の新潟記念で2着があった。暑くなると調子を上げるタイプで7〜8月は[3−0−1−2]、先行したときは[3−0−1−0]。前走鳴尾記念は後方からのレースで13着に終わったが、このあたりを考慮して和田騎手は先行したのだろう。次走は新潟記念。サマー2000シリーズの優勝が懸かるため、目一杯に仕上げてきそうだ。ハンデは1、2キロ重くなりそうだが、この時期走るため注意したい。

ベルーフは後方2番手からメンバー最速の35.2秒で追い込んでクビ差の2着。大外から最後に鋭く伸びてきたが、直線で前にいた馬が外に膨れ、外に振られたことが堪えた。そこがスムーズなら際どいレースになっていた。昨年の小倉記念で54キロで2着に入った馬が、今年は56キロを背負って2着。例年とは違う馬場で時計、上がりが掛かったことも良かったのだろう。これでG3以下、右回りの芝2000mでは[3−2−0−0]。この条件が揃ったときは要注意。陣営は走るパターンが分かっているため、この条件のときに仕上げている。

エキストラエンドは後方からメンバー2位の35.4秒で伸びて0.1秒差の3着。直線で少し外に持ち出すと鋭く伸びてきた。近走重賞で不振が続いていたが、距離を延ばして少しパフォーマンスを引き上げた。騎乗した浜中騎手は距離はマイルより2000mが合っているとコメント。7歳になってズブくなってきたことで今はマイルでは短いのだろう。今回は最終調教でいつもより活気のある動きを見せていた。かなり使い込まれているが、タフな馬で大きな衰えはない。今回は勝ち馬より3キロ、2着馬より1キロ重い57キロを背負っていたことを考慮しておきたい。

ダコールは中団の後ろからメンバー3位の35.7秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で前にいたマーティンボロが外に寄れた煽りを受けて外に振られるロスがあった。勢いがついたところでの不利だっただけにかなり堪えている。8歳馬がトップハンデ58キロを背負って上位争いしたことを評価したい。G3では上位の力がある。次走は新潟記念。勝てばサマー2000シリーズ優勝の可能性がある。

マーティンボロは好位から直線で先団に取りついたが、外にモタれて伸び切れず0.2秒差の5着。重賞を勝ったときは54キロ、56キロ。小柄な馬だけに57キロが影響しているのが、今回も詰めが甘かった。それでも一戦ごとに勝ち馬との差を詰めており、内容は良くなっている。

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