札幌記念
レース回顧

ネオリアリズムは外枠スタートからハナを切り、メンバー3位の36.9秒で後続を引き離し、2着モーリスに2馬身差をつけて重賞初制覇。雨が降って稍重の馬場で勝ちタイムは2分1秒7。稍重の発表以上に時計の掛かる馬場で前半5F59.9秒は速い流れ。道中ラップを落とさずに後続に脚を使わせ、ラスト4F目に12.7秒に落とし、ラスト3Fは12.5−12.1−12.3秒の持続ラップ。スタートして行く馬がいないとみてハナを切ったルメール騎手の好騎乗もあるが、能力がないとこの走りはできない。相馬眼的に重賞を勝てる素材と評価してきた馬が一気にパフォーマンスを引き上げた。折り合いに不安があったが、こういう渋った馬場では下を気にして折り合いがつく馬が多い。昨年夏に復帰以降、前半5F59.4秒以下なら[4−0−1−0]。速い流れで折り合いば、力を発揮できるタイプ。ルメール騎手はG1で勝ち負けできるとコメントしている。これで札幌は3戦3勝。力のいる馬場もこなせるが、昨年東京で高速上がりで勝ったように上がりの速いレースにも対応できる。リアルインパクトの半弟が5歳になって本格化してきた。今後は天皇賞(秋)を目指す予定。ひと息入れて毎日王冠あたりで復帰することになりそうだ。

モーリスは外枠スタートから中団の外につけ、3コーナー過ぎからスパートしてメンバー最速タイの36.3秒で上がったが、逃げたネオリアリズムを捕まえられず2馬身差の2着。モレイラ騎手ができるだけロスを少なくし、勝負どころで外から上がってきたが、渋った馬場で伸び切れなかった。距離2000mのメドは立ったが、モレイラ騎手はベストではないとコメントしている。勝ったネオリアリズムは内ラチ沿いをロスなく回ったが、モーリスは外を回っていた。2馬身差はそのあたりの差もあるのだろう。休み明けでも馬体を大きく見せ、前走安田記念より仕上がりは良さそうに映った。今後は天皇賞(秋)に向かい、香港カップがラストランになる予定。東京では安田記念1、2着があるが、右回りほど切れない印象。天皇賞(秋)ではそこがどう出るか。

レインボーラインは内枠スタートから後方の内で脚をタメ、勝負どころで外に出し、メンバー最速タイの36.3秒で伸びて0.4秒差の3着。2着モーリスにクビ差まで迫った。福永騎手が内枠を利して道中内をロスなく回ってきたことが最後の伸びにつながっている。これで札幌芝は[1−2−1−0]。有力馬診断に息の流い末脚が持ち味で渋った馬場、距離延長でバテない強みを発揮する可能性があると書いたが、その通り最後までしぶとく伸びてきた。春にマイルのアーリントンCを勝ったが、デビューから5戦、芝1800mを使われていたように元々距離をこなすタイプ。休み明け、初の古馬相手でパフォーマンスを引き上げたことを評価したい。今後は菊花賞トライアルを使って菊花賞に向かうことになりそうだ。長距離戦でレースが消耗戦に傾くとバテない強みを発揮する可能性がある。

ヌーヴォレコルトは1枠1番スタートから内ラチ沿いの好位につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の4着。渋った馬場はこなすタイプだが、小柄な牝馬だけに馬場が重過ぎたのかもしれない。休み明けで馬体が14キロ減っていたが、前2走で計15キロ増えており、陣営が意識的に絞ってきたもの。休み明けでも仕上がりは悪くなかった。前2走よりレース内容は良く、これくらいの体重の方が走れるのだろう。今後はひと息入れてBCフィリー&メアターフを使い、その後は香港に遠征する予定。

ヤマカツエースは好位からしぶとく伸びて0.7秒差の5着。最後はヌーヴォレコルトとの叩き合いにクビ差負けたが、持ち味のしぶとさが戻ってきた。最終調教で少し余裕を残していたように陣営は昨年勝った福島記念を意識しているのではないか。福島記念はハンデ戦のため、その前に惨敗してハンデを軽くして連覇というのが陣営の目論見か。

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