北九州記念
レース回顧

バクシンテイオーは後方2番手から大外を回ってメンバー最速の34.2秒で豪快に差し切ってレースを制した。ラヴァーズポイントが逃げて前半33.6秒の平均ペース。例年よりも時計、上がりの掛かる馬場で勝ちタイムは1分8秒5。バクシンテイオーは後方で脚をタメ、先に動いたオウノミチを見ながらスパートし、直線で弾けるように伸びて差し切った。平坦向きのハンデキャップタイプが藤岡康騎手に導かれて重賞初制覇。パドックでは小倉に滞在した効果で落ち着きがあり、昨年より上手く仕上がっていた。速い持ちタイムがないため、高速決着に課題があったが、例年より時計の掛かる馬場で1分8秒台の決着になったことも良かったのだろう。今年の小倉芝1200mで藤岡康騎手はダントツの10勝を挙げ、勝率25.6%もトップ。昨年の北九州記念は兄の藤岡佑騎手が騎乗し6着に終わっただけにここで一発という思いもあったのだろう。今後はひと息入れ、スプリンターズSを目標に調整されることになりそうだ。

ベルカントは3番手から早めに先頭に立ったが、外からバクシンテオーに交わされて0.2秒差の2着。昨年は55キロを背負って1分7秒3で勝ったが、今年は56キロを背負って1分8秒7で走って2着。馬場、流れが違うため、単純な比較はできないが、ビッグアーサーを完封した昨年が強かっただけに少し物足りなさが残る。スピードの絶対値が高いため、高速馬場の方が合うこともあるのだろう。初めての56キロも微妙に堪えたか。それでも2着を確保し、トータル19点でサマースプリントシリーズのトップに立った。キーンランドC、セントウルSの結果次第になるが、2連覇の可能性は十分にある。

オウノミチは中団から外を回って4コーナーで先団を射程圏に入れ、メンバー3位の34.8秒で伸びて0.4秒差の3着。前走バーデンバーデンCは内をロスなく回って直線で内から捌いてきたが、今回は4コーナーで外に大きく振られるロスがあった。それでも前走より2キロ重い54キロを背負って重賞で3着に入ったように着実に地力が強化されている。パドックでは身のこなしに切れがあり、いかにも調子が良さそうだった。

ジャストドゥイングは2番手から伸び切れず0.4秒差の4着。直線で石橋脩騎手が目一杯追ったが、前走と同様に決め手不足を露呈した。休み明けを除き直線が平坦なコースで良馬場なら[3−1−0−1]。今回は条件が揃っていたが、これが現時点の力なのだろう。

ベルルミエールは最後方からメンバー2位の34.5秒で伸びて0.4秒差の5着。出遅れて最後方から内を狙ったが、直線で前が壁になって大きく外に持ち出すロスがあった。最後にいい脚を使ったように仕上がりは良かったが、スムーズなレースができず、力を出し切れなかった。

プリンセスムーンは外枠スタートから4番手につけたが、直線で伸び切れず0.5秒差の6着。コーナーリングは少しぎこちなかったが、タメれば切れる脚を使えるタイプだけに少し前に行き過ぎたか。馬は乗り方次第でG3で通用するレベルに到達している。コーナーが嫌われて人気が落ちるようなら狙ってみたい。

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