新潟2歳S
レース回顧

ヴゼットジョリーは中団の馬込みで脚をタメ、直線で外に持ち出すとメンバー2位の33.2秒で差し切ってレースを制した。アピールバイオが逃げて前半3F36.0秒、5F60.7秒でレースの上がりが33.6秒。スローペースで上がりの速さが問われるレースになった。ヴゼットジョリーは中団で脚をタメ、直線で他馬が一杯になったところで逆手前に替え、そこからひと伸びして差し切った。キャリア1戦の牝馬だが、レースセンスが良く、福永騎手の指示通り動いていた。33.2秒で上がったが、ローエングリン産駒で本質的には切れより地力タイプなのではないか。今後は休養して阪神JFに直行する予定。福永騎手は3月末以降に重賞を4勝したが、全て左回り。7月の中京では絶好調で中京記念をガリバルディで制した。左回りで乗れているため注意したい。

オーバースペックはスタートが遅く最後方を進み、メンバー最速の32.9秒で追い込んで0.2秒差の2着。最後にイブキをクビ差交わして2着を確保した。デビューから3戦して上がりは全てメンバー最速。前走小回りの福島で後方2番手から大外一気を決めたのはダテではなかった。スタートが遅く、後方からのレースしかできないが、末脚の威力でカバーしている。体重よりも大きく見せ、後肢の踏み込みがしっかりしている。現時点の完成度が高いが、こういうタイプは急に走らなくなることがある点に注意しておきたい。次走はサウジアラビアRCに向かう予定。開幕週に行われるレース。脚質的に過信はできない。

イブキは内ラチ沿いの4番手からメンバー4位の33.7秒で抜け出したが、外から2頭に交わされて0.2秒差の3着。最後は切れ負けしたが、荒れた内を通ったこと、少し力んで走っていたことも影響している。新潟2歳Sで前走芝1800mを使った馬は3着止まりに終わる傾向があるが、その通りの結果になった。馬体の造りから距離はこなすタイプ。ルーラーシップ産駒で相馬眼的にこれから力をつけてきそうな馬。芝1800〜2000mで注目していきたい。

アピールバイオはハナを切ってマイペースで進め、メンバー7位の33.9秒で上がって0.3秒差の4着。直線で交わされた後もしぶとく食い下がっていた。切れより地力タイプ。前走福島芝1800mで圧勝したように小回りコースの方が合っている。アクティブバイオの近親。渋く活躍しそうな馬。

モーヴサファイアは内枠スタートから中団の内をロスなく回り、直線で内からメンバー3位の33.5秒で伸びて0.7秒の8着。この馬なりに伸びているが、馬場の荒れた内を通っては厳しかった。馬体は12キロ増えていたが、太くはなかった。ハービンジャー産駒だけに上がりが速くなったことも堪えている。

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