スプリンターズS
レース展望


スプリンターズS データ&ポイントからのアプローチ ビッグアーサーの死角とは?


■データからのアプローチ(過去10年)

データ面からは4つのポイントがある。

データの詳細は、笠倉出版社「競馬大予言」の重賞データ1本釣り(競馬アナリストGM著)を参照。

●人気馬同士の本命決着が5回、中穴以上の決着が5回

1番人気は[4−2−0−4]で6連対。連対馬14頭が3番人気以内。6〜9番人気が2連対、10番人気以下が4連対。最近5年の馬連は130倍、5倍、4倍、73倍、55倍。堅いか波乱両極端。

→上位人気馬:ビッグアーサー、ミッキーアイル、ダンスディレクター、ブランボヌール、シュウジ

→10番人気以下:スノードラゴン、ウリウリ、ソルヴェイグ、サトノルパン、サクラゴスペル、レッドアリオン、ティーハーフ

●セントウルS勝ち馬は未勝利。負けた馬の巻き返す

前走セントウルS勝ち馬は[0−2−1−6]で勝った馬はいない。1番人気は[0−1−0−1]、2番人気は[0−1−0−1]。2着馬が3勝、3着馬が1勝。負けた馬が巻き返して勝つことが多い。

→セントウルS組:1着ビッグアーサー、2着ネロ、5着スノードラゴン、6着レッドアリオン、7着ダンスディレクター、9着ウリウリ、11着ティーハーフ

●前走4着以下に負けた馬はG1連対実績が必要

連対全馬が前走重賞に出走し10頭が前走3着以内。前走4着以下から連対した10頭のうち8頭にG1連対、残る1頭にG1で3着があった。前走4着以下はG1連対実績がないと巻き返すのは難しい。

→前走4着以下でG1連対がある馬:スノードラゴン(スプリンターズS1着、高松宮記念2着)、サクラゴスペル(スプリンターズS2着)

→前走4着以下でG1連対がない馬:ウリウリ、サトノルパン、ソルヴェイグ、ダンスディレクター、ティーハーフ、レッドアリオン

●2走前にOP以上で連対した逃げ先行馬が激走する

6番人気以下で連対した6頭のうち5頭が逃げ先行馬。さらに6頭のうち5頭が2走前にOP以上で連対していた。00年に最低16番人気で勝ったダイタクヤマト(逃げ)は2走前の函館スプリントSで連対していた。

→2走前にOP以上で連対した馬:シュウジ(先行)、ソルヴェイグ(先行)、ダンスディレクター(差し)、ネロ(先行)、ビッグアーサー(先行)、ベルカント(先行)、ミッキーアイル(先行)

■メンバー&実績からのアプローチ

ここでは4つのポイントを整理しておきたい。

●4歳馬が1頭しかおらず、3歳馬の出走が3頭と多い

過去10年で[2−6−4−36]で8連対と多い4歳馬の出走はレッツゴードンキのみ。3歳馬は[1−0−1−9](1着アストンマーチャン)。例年1、2頭しか出走しないが、今年は3頭出走している。

今年は4歳馬の出走が少ない点で5歳馬が有利。夏のスプリント重賞で好走した3歳馬にもチャンスがある。

●高松宮記念勝ち馬のスプリンターズSでの成績は?

・15年 エアロヴェロシティ(4人気)→未出走
・14年 コパノリチャード(3人気)→12着(3人気)
・13年 ロードカナロア(1人気)→1着(1人気)
・12年 カレンチャン(2人気)→2着(1人気)
・11年 キンシャサノキセキ(3人気)→未出走
・10年 キンシャサノキセキ(1人気)→2着(3人気)
・09年 ローレルゲレイロ(3人気)→1着(6人気)
・08年 ファイングレイン(4人気)→10着(3人気)
・07年 スズカフェニックス(1人気)→9着(2人気)
・06年 オレハマッテルゼ(4人気)→9着(5人気)

高松宮記念勝ち馬がスプリンターズSで1番人気なら[1−1−0−0]で連対率100%。

●スプリントG1で3着以内がある馬は?

・ビッグアーサー(牡5)16年高松宮記念1着
・ミッキーアイル(牡5)16年高松宮記念2着、15年高松宮記念3着
・サクラゴスペル(牡8)15年スプリンターズS2着
・スノードラゴン(牡8)14年スプリンターズS1着、高松宮記念2着

過去10年で8歳馬は[1−0−0−8]で連対は香港馬のウルトラファンタジー(10人気)のみ。

●ステップレースの過去12年レーテイング比較

▼高松宮記念
05年アドマイヤマックス 116
06年オレハマッテルゼ 114
07年スズカフェニックス 116
08年ファイングレイン 115
09年ローレルゲレイロ 115
10年キンシャサノキセキ 115
11年キンシャサノキセキ 115
12年カレンチャン 111
13年ロードカナロア 118★
14年コパノリチャード 116
15年エアロヴェロシティ 118★
16年ビッグアーサー 117

▼函館スプリントS
05年シーイズトウショウ 111
06年ビーナスライン 108
07年アグネスラズベリ 107
08年キンシャサノキセキ 109
09年グランプリエンゼル 106
10年ワンカラット 109
11年カレンチャン 108
12年ドリームバレンチノ 108
13年パドトロワ 111
14年ガルボ 112★
15年ティーハーフ 108
16年ソルヴェイグ 109
(牝馬4ポイント加算済)

▼キーンランドC
06年チアフルスマイル 107
07年クーヴェルチュール 107
08年タニノマティーニ 104
09年ビービーガルダン 107
10年ワンカラット 109
11年カレンチャン 107
12年パドトロワ 111★
13年フォーエバーマーク 108
14年ローブティサージュ 109
15年ウキヨノカゼ 109
16年ブランボヌール 110
(牝馬4ポイント加算済)

▼アイビスSD
05年テイエムチュラサン 104
06年サチノスイーティー 104
07年サンアディユ 104
08年カノヤザクラ 106
09年カノヤザクラ 110★
10年ケイティラブ 104
11年エーシンヴァーゴウ 106
12年パドトロワ 110★
13年ハクサンムーン 110★
14年セイコーライコウ 107
15年ベルカント 110★
16年ベルカント 110★
(牝馬4ポイント加算済)

▼セントウルS
05年ゴールデンキャスト 106
06年シーイズトウショウ 116★
07年サンアディユ 114
08年カノヤザクラ 111
09年アルティマトゥーレ 112
10年ダッシャーゴーゴー 111
11年エーシンヴァーゴウ 112
12年エピセアローム 113
13年ハクサンムーン 114
14年リトルゲルダ 112
15年アクティブミノル 111
16年ビッグアーサー 114
(牝馬4ポイント加算済)

レーティングが高いのは高松宮記念とセントウルSを勝ったビッグアーサー。その他は大きな差がない。

■出走予定馬の知っておきたい基本的事項

●ビッグアーサー

芝1200mは[8−2−0−1]で高松宮記念、セントウルSを連勝。高松宮記念は4番手からメンバー4位タイの33.4秒でまとめて1分6秒7のレコードで優勝。レコード連発の高速馬場、ハイペースでスピードの絶対値の高さを証明した。前走セントウルSは1枠1番から前半3F33.1秒で逃げ、直線で後続を引き離し1分7秒6で制した。休み明けで余裕残しの仕上げだったが、58キロを背負って1番人気に応えた。

休み明けの実績馬はロードカナロアのように2着に終わることが多いが、今年は3、4歳馬の出走がなく、かつ夏のスプリント重賞勝ち馬が出走していなかった点を考慮したい。サクラバクシンオー産駒でスピードの絶対値の高さと底力を兼ね備えた馬。今回も前に行って押し切るレースか。相馬眼的に香港スプリントを狙える(輸送の克服必要)が、前走のレースぶりとラップに死角が見え隠れする。そこをどう考えるかがポイント。

●ミッキーアイル

14年のNHKマイルC勝ち馬。芝1200mは[0−1−1−2]で高松宮記念2、3着、スプリンターズS4着があるが、まだ勝ったことはない。高松宮記念は3番手から早めに抜け出し33.8秒で上がったが、最後にビッグアーサーに差されて0.1秒差の2着。休み明けは[3−0−0−3]だが、過去10年のスプリンターズSで半年以上の休み明けは[0−0−0−5]。昨年4着に終わった敗因を考慮する必要がある。

●ダンスディレクター

芝1200mは[2−3−0−1]。2走前のシルクロードSは1枠1番からスタートを決めて好位につけ、メンバー2位の33.3秒で差し切り重賞初制覇。重賞で連対したCBC賞、阪神カップ、シルクロードSは全て渋った馬場。前走セントウルSは7着に終わったが、脚部不安明けで無理しなかったのではないか。ビッグアーサーには阪神カップで0.2秒、シルクロードSで0.6秒先着している。展開と位置取りがカギ。

●レッドファルクス、ブランボヌール、シュウジ、ベルカント、ネロ

レッドファルクスは前走CBC賞を中団の後ろからメンバー最速の32.7秒で差し切って重賞初制覇。芝1200mは2戦2勝、Mデムーロ騎手では2戦2勝。休み明けで仕上がりと経験の少ない右回りがカギ。ブランボヌールは前走キーンランドCを大外枠スタートから5番手につけ、メンバー3位の34.0秒で差し切った。北海道の芝1200mでは3戦3勝。叩き2戦目で上積みが見込める。鞍上は芝重賞で不振が続く武豊騎手。

シュウジは芝1200m[1−2−0−0]で函館スプリントS2着、キーランドC2着。芝1200mがベストのキンシャサノキセキ産駒。前走から斤量が3キロ増える。ベルカントはアイビスSDを2連覇し、前走北九州記念2着。夏に走る馬で10〜12月は[1−0−0−5]。昨年のスプリンターズSは2番人気で13着に終わった。ネロはアイビスSD、セントウルS2着で地力強化。ただしまだ重賞を勝ったことがない。

■有料版競馬道場でのアプローチ

以下に示す3つのアプローチで最終決断を下しています。

●調教過程、馬体の造り、馬の気配、過去の調教動画を比較して分析する「調教診断」

●予想で狙う馬(本命、対抗、穴馬など)を独自の視点で詳しく分析する「有力馬診断」

●相馬眼、能力、適性、調子、外部条件(馬場、枠順、展開)などから総合的に判断する「相馬眼予想」

<参考>
ステップレースのレース回顧はこちらでご覧になってください。新たな発見があるかも。

★2016年重賞レース回顧一覧

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