サウジアラビアRC
レース回顧

●開幕週の外差し馬場でブレスジャーニーが大外一気で快勝
 →運動神経のいい馬で末脚に威力がある

●2着は走破タイム、上がりを大きく詰めたダンビュライト
 →最終調教でアンビシャスと併入はダテではない

●クライムメジャーは掛かって先行して直線で伸び切れず
 →ダイワメジャー産駒で地力タイプの可能性

ブレスジャーニーは後方からメンバー最速の33.8秒で豪快な大外一気を決めて快勝。稍重の馬場でサクセスムーンが逃げて前半5F60.1秒。中盤にラップが12.7−12.4秒と緩み、ラスト3F11.7−11.1−11.6秒の上がり勝負になった。ブレスジャーニーは後方で脚をタメ、直線で先に抜け出したダンビュライトをあっさり交わし、最後まで脚色が衰えていなかった。東京は開幕週で下級条件では前残りが多かったが、上級条件では外からの差しが決まりやすかった。末脚の威力で勝負するタイプだけに外差し馬場が有利に働いている。これでデビューから3戦とも上がり最速。440キロ台の小柄な牡馬だが、手足の先まで神経が行き届いた運動神経のいい走りをする馬で2歳戦向きの末脚の威力を備えている。前走後にひと息入れたが、馬体4キロ増で太め感なく仕上がっていた。北海道サマーセールで270万円で取引されたバトルプラン産駒。直線の長いコースが合うため、今後は東スポ杯2歳Sから朝日杯FSになりそうだ。今年50歳になった柴田善騎手は今年重賞で[0−0−1−17]だったが、ようやく19戦目で制した。

ダンビュライトは中団の後ろからメンバー2位の34.2秒で伸びて0.2秒差の2着。直線で外から抜け出して先頭に立ったが、逆手前でフワフワして内にもたれ、ブレスジャーニーに交わされた。それでも3着には3馬身差をつけている。不良馬場の新馬戦を1分40秒7で5馬身差で圧勝した馬。稍重の緩い馬場と外差しが決まりやすい馬場が味方したが、それでも前走から走破タイムを6秒詰め、上がり勝負にも対応できた。パドックでは全く力みがなく、落ち着いて周回していた。この時期だけにまだ若さがあるが、絶対能力は高い。坂路で行われた最終調教では同厩のアンビシャスと併入していた。次走は朝日杯FSに直行する予定。ルーラーシップ産駒で来年は距離を延ばすことになる。

クライムメジャーはスタートを決めて3番手につけ、直線で伸び切れず0.7秒差の3着。上がりはメンバー5位タイの34.9秒。先行して道中折り合いを欠き、直線で切れる脚を使えなかった。Mデムーロ騎手はゲート入り後に待たされたことが影響したとコメントしている。外差しが決まりやすい馬場で内を通って先行したことも余計に堪えたのだろう。サトノノブレスの半弟。父がダイワメジャーに替わって馬体に厚みが増し、パワーも兼ね備えている。中京の新馬戦をメンバー最速の33.9秒で差し切ったが、ダイワメジャー産駒で本来は切れより地力タイプの可能性がある。今後は時計の掛かる馬場を選んで使うことになるのではないか。

ロジムーンは内ラチ沿いの中団につけたが、直線で挟まれて後退する致命的な不利があり、1.5秒差の7着に終わった。直線での手応えから見てまともなら3着争いに加われたのではないか。外差しが決まりやすい馬場で1枠1番も結果的にマイナスだった。寸詰まりの馬体は地味に映るが、500万条件なら勝ち負けできる。

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