秋華賞
レース展望
■データからのアプローチ(過去10年)
データの詳細は、笠倉出版社「競馬大予言」の重賞データ1本釣り(競馬アナリストGM著)を参照。(2002年から連載中)
●1番人気より2番人気堅実。最近は馬連中穴止まり
1番人気は[3−1−3−3]で勝った3頭はオークス馬。2番人気は[4−2−1−3]で6連対。6番人気以下が5連対。最近5年の馬連は31倍、2倍、9倍、6倍、27倍で中穴までに収まっている。
→上位人気馬:ビッシュ、ジュエラー、ヴィブロス、カイザーバル、パールコード、レッドアヴァンセ
●前走5着以内が目安。6着以下は重賞勝ちが必要
連対馬19頭が前走5着以内。前走6着以下は[1−0−3−68]で1連対のみ。前走ローズS15着から連対したブラックエンブレムにはフラワーC勝ちがあった。前走大敗馬は重賞勝ちが必要。
→前走6着以下:ジュエラー(桜花賞1着)、エンジェルフェイス(フラワーC1着)、ウインファビラス、ゲッカコウ、レッドアヴァンセ
●小柄な馬は1連対のみ。490キロ前後が活躍
439キロ以下は[1−0−2−31]で1連対のみ。トリッキーなコースで小柄な馬は揉まれて不振に終わる傾向。480〜499キロは[6−1−2−17]、3番人気以内なら[6−0−1−0]。
→439キロ以下:ヴィブロス、クロコスミア、ビッシュ
→480〜499キロ:ジュエラー、エンジェルフェイス、キンショーユキヒメ、ワンダーピルエット
●穴はローズSで速い上がりを繰り出した馬
6番人気以下で連対した5頭は6、7、7、8、11番人気で前走ローズS1、3、3、2、15着。ローズS3着以内の4頭のうち3頭が上がり3位以内だった。穴でローズS組に注意。
→ローズS組:2着クロコスミア(上がり4位)、3着カイザーバル(2位タイ)、4着デンコウアンジュ(2位タオ)、8着レッドアヴァンセ(7位タイ)、11着ジュエラー(12位)
■メンバー&実績からのアプローチ
●重賞勝ち馬が4頭、G1連対馬が1頭しかいない
重賞勝ち馬はジュエラー(桜花賞)、ビッシュ(紫苑S)、デンコウアンジュ(アルテミスS)、エンジェルフェイス(フラワーC)。G1連対馬はジュエラー(桜花賞1着)のみ。
→今年は例年より重賞実績馬が少ない。桜花賞馬ジュエラー、オークス3着馬ビッシュに有利
●今年は有力馬の離脱で例年とはメンバーが違う
桜花賞1〜5着馬のうち出走してきたのは1着ジュエラーのみ。オークス1〜5着馬のうち出走してきたのは3着ビッシュのみ。近年の神戸新聞杯(皐月賞、ダービー組)もこのパターンが多い。
→シンハライト、メジャーエンブレム、チェッキーノの離脱で春よりメンバーレベルが低い
●芝2000mで勝ち星のある馬が4頭しかいない
芝2000mを勝っている馬は、ビッシュ(紫苑S)、パールコード(ミモザ賞)、ヴィブロス(500万下)、パーシーズベスト(未勝利)の4頭のみ。2分00秒0を切った馬はビッシュのみ。
→京都芝2000mを経験している馬はキンショーユキヒメ(4着2回)しかいない
■知っておきたい出走予定馬の基本的事項
●ビッシュ
1番人気に支持されたフローラSは出遅れて5着に終わったが、オークスは中団の外から早めに動いて直線で先頭に立ち、メンバー7位タイの34.1秒でまとめて0.1秒差の3着に入った。前走紫苑Sは後方から徐々に進出し、4コーナーで先団に取りつくとメンバー最速の35.3秒で抜け出して2馬身半差で圧勝。最後はまだ余裕があった。馬体は4キロしか増えていなかったが、春より厚みが増してボリュームアップしていた。
ディープインパクト産駒で末脚に持続力があり、前向きさと勝負根性もある。前走は420キロ。過去10年の秋華賞で439キロ以下は[1−0−2−31]だが、昨年は434キロのミッキークイーンが1番人気で制している。東京と中山でしか出走がなく、関西への長距離輸送は初めて。輸送で馬体が大きく減らないことが条件になる。今年の重賞で戸崎騎手は1番人気で[7−3−0−0]。紫苑Sのように外を回すレースか。
●ジュエラー
桜花賞は出遅れて後方2番手からメンバー最速の33.0秒で大外から鋭く伸び、最後はシンハライトとの競り合いをハナ差で制した。シンハライトはその後オークス、ローズSを制しており、ジュエラーにしか負けていない。前走ローズSは2番人気に支持され、Mデムーロ騎手が押して好位につけたが、直線で全く伸びずに1.6秒差の11着に終わった。直線で前を捕まえられないと分かった時点で最後は余力を残していた。
骨折明けで馬体10キロ増。パドックでは太くはなかったが、中身が伴っていなかったのか。Mデムーロ騎手は重馬場が影響したとコメント。直線が短い京都内回りの秋華賞に向けて、スタートを決めて好位で折り合えたのは収穫だったが、タメないと切れないタイプの可能性がなくもない。過去10年の秋華賞でローズS10着以下は[1−0−1−15]で15着のブラックエンブレム(ローズSは重馬場)が11番人気で制している。
●ヴィブロス
チューリップ賞は速い流れで逃げて12着。フラワーCは馬体8キロ減でガレ、出遅れて全く競馬にならず12着。立て直して出走した中京芝2000mの500万条件は、後方からメンバー最速の34.4秒で差し切り、2分00秒5で4馬身差で圧勝。馬体が8キロ増えて戻っていた。前走紫苑Sは後方からメンバー2位の35.5秒で大外から鋭く伸びて0.4秒差の2着。3コーナーでごちゃついて下がる大きな不利があった。
福永騎手は不利を受けた後、馬体に故障がないことを確認してから動き出しており、そのぶん仕掛けが遅れている。デビューから3戦は前に行っていたが、ここにきて差すレースが板についた。秋華賞2着の全妹ヴィルシーナと同じ馬主(大魔神)、厩舎。友道厩舎はこの一族の仕上げ方を熟知している。ディープインパクト産駒で末脚の持続力が優れた馬。前走の馬体重は414キロ。小柄な馬が不振のデータを覆して連対できるか。
■今年の秋華賞のポイント
●骨折明けのローズSで惨敗したジュエラーが初の芝2000mで復活できるか?
●長距離輸送が初めての小柄なビッシュが輸送をクリアして馬体を維持できるか?
●実績馬ジュエラー、ビッシュをまとめて負かす馬、割って入る馬がいるのか?
★馬名は出せないが、相馬眼的にここで激走があっておかしくない馬が1頭いる。
★過去5年の秋華賞で3頭の穴馬が激走し、3連単万馬券を的中している。
→穴馬ショウナンパンドラ1着、アロマティコ3着、キョウワジャンヌ2着
★今年は相馬眼的に走る馬独特の雰囲気を持ったあの馬が激走する可能性がある。
★先週の予想結果
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<競走馬を知っておこう>
・小学校のときにスポーツや体力測定で誰が何が得意かを理解していませんでしたか?
→あいつは足が速い、ハンドボール投げが得意、サッカーが得意、水泳が得意など。
・小学校で足が速い人に遅い人が勝つことは、ほとんどありません。
・競走馬は得意な距離、コース、馬場、流れなどがあり、それぞれ適性が違います。
・各競走馬をクラスメイトのように把握できていれば、予想は当てやすくなります。
<馬キャラについて>
・競走馬のキャラクター(特徴)を馬キャラと呼んでいます。
・競馬予想は馬キャラを見極めて日々更新していくことが重要です。
・パドックで馬キャラを見極めようとする人がいますが、それでは遅過ぎます。
・事前に馬キャラを見極めておき、パドックでは前走と変化に注目すべきです。
・前走からの変化を瞬時に見極めるフラッシュ型記憶が重要になります。
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