菊花賞
レース展望


■データからのアプローチ(過去10年)

データの詳細は、笠倉出版社「競馬大予言」の重賞データ1本釣り(競馬アナリストGM著)を参照。(2002年から連載中)

●神戸新聞杯を圧勝した1番人気は勝率100%

1番人気は[4−1−2−3]5連対。前走神戸新聞杯を圧勝して単勝1倍台に支持された馬は[3−0−0−0]で勝率100%。神戸新聞杯勝ち馬は単勝2.4倍以上だと[0−0−1−1]。

→今年の1番人気サトノダイヤモンドは神戸新聞杯をクビ差勝ち。単勝は2倍台か。

●2、3番人気不振も最近5年は5番人気以内で決着

2番人気は[0−3−0−7]、3番人気は[1−0−3−6]で計1勝のみ。6〜9番人気は5連対、10番人気以下は1連対。最近5年は5番人気以内で決着。以前ほど荒れなくなった。

→上位人気馬:サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、レッドエルディスト、ミッキーロケット、カフジプリンス、エアスピネル

●前走3着以内が目安。前走G2で3着以内に入った馬

連対馬19頭が前走3着以内。前走神戸新聞杯12着から連対した馬はG2連対があった。最近6年の連対馬は全て前走G2で3着以内。前走G2で3着に負けて人気の盲点になった馬が激走する傾向がある。

→神戸新聞杯:1着サトノダイヤモンド、2着ミッキーロケット、3着レッドエルディスト

→セントライト記念:1着ディーマジェスティ、2着ゼーヴィント、3着プロディガルサン

●ディープインパクト産駒は芝3000m以上で未勝利

ディープインパクト産駒は芝3000m以上[0−8−5−34]で未勝利。菊花賞と天皇賞(春)では[0−3−1−25]。菊花賞ではサトノノブレス、リアルスティールの2着が最高。

→ディープインパクト産駒:サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、ウムブルフ、プロディガルサン、マウントロブソン


■メンバー&実績からのアプローチ

●今年はG1で連対がある馬が3頭しかいない

G1馬はディーマジェスティ(皐月賞)のみ。G1で2着がある馬はサトノダイヤモンド(ダービー)、エアスピネル(朝日杯FS)。ダービー馬マカヒキは凱旋門賞、朝日杯FS勝ち馬リオンディーズは引退。

→皐月賞5着以内:1着ディーマジェスティ、3着サトノダイヤモンド、4着エアスピネル

→ダービー5着以内:2着サトノダイヤモンド、3着ディーマジェスティ、4着エアスピネル

●芝2400mの条件戦を勝ってきた上がり馬が多い

芝2400m以上の重賞で連対がある馬は、サトノダイヤモンド(神戸新聞杯1着、ダービー2着)、レッドエルディスト(青葉賞2着)、ミッキーロケット(神戸新聞杯2着)。

芝2400m以上の1000万条件で勝ち星がある馬は、カフジプリンス、ウムブルフ、シュペルミエール、2着がある馬はコスモジャーベ。

→内枠に入った馬:サトノダイヤモンド(2枠3番)、カフジプリンス(1枠1番)、シュペルミエール(2枠4番)

●皐月賞馬、ダービー2着馬が順当に秋初戦を優勝

皐月賞馬ディーマジェスティはセントライト記念1着、ダービー2着馬サトノダイヤモンドは神戸新聞杯1着。2頭とも単勝1倍台前半の断然人気で勝ったが、2着とはクビ差の接戦だった。

→今年は春のG1実績馬2頭を上がり馬がまとめて負かすか、割って入れるかが焦点になる。


■知っておきたい出走予定馬の基本的事項

●サトノダイヤモンド

これまで[4−1−1−0]でG1は皐月賞3着、ダービー2着。皐月賞は0.4秒差の3着に終わったが、直線でスピードに乗ったところでリオンディーズが斜行した煽りを受けて外に振られる大きなロスがあった。ダービーは7番手からメンバー4位の33.4秒で抜け出したが、最後にマカヒキとの叩き合いに負けてハナ差の2着。レース後に左後肢の落鉄が判明した。前走神戸新聞杯は中団の外からメンバー2位の34.2秒で上がり、最後はミッキーロケットとの叩き合いをクビ差で制した。3着レッドエルディストには3馬身差をつけた。

前半5F61.4秒のスローペースで道中少し掛かっていたが、ラスト4Fを全て11秒台のラップでまとめてスピードの持続力を証明。春より馬体が成長して実の入りが良くなり少しパワーアップしていたが、胸の深さは春とそれほど変わっておらず、長距離がベストではなさそう。ダービー、神戸新聞杯のように緩い流れで上がりの速い軽いレースになればいいが、前半の流れが速くなってレースが消耗戦に傾くとルメール騎手が位置取りで調整する必要がある。人気馬2頭は非社台だけに誰かが仕掛けるか。相馬眼的に香港カップを勝てそうな馬。

●ディーマジェスティ

これまで[4−2−1−0]でG1は皐月賞1着、ダービー3着。皐月賞は後方からメンバー2位の34.0秒で大外から豪快に差し切って1分57秒9のレースレコードで優勝。差し馬向きの展開と強風を味方につけている。ダービーは中団からメンバー2位タイの33.3秒で伸びて0.1秒差の3着。直線でサトノダイヤモンドに寄られて外に持ち出すロスがあった。皐月賞は前半5F58.4秒、後半5F59.5秒で上がりの掛かる消耗戦だったが、ダービーは前半5F60.0秒、後半5F58.0秒で上がり勝負になったことが堪えた。

前走セントライト記念は後方から早めに捲ってメンバー最速タイの34.5秒で差し切った。前半5F61.0秒で前が有利な展開だったが、大外を回っていい脚を長く使い、最後は力で捻じ伏せた。全7戦が上がり1、2位で上がり勝負にも対応できるが、心肺機能が高い馬で消耗戦に強いタイプ。馬体の造りは母の父ブライアンズタイムが色濃く出ている。ブライアンズタイムの血が入った馬は腹袋があって太く見える馬の方が走る。春は勝負どころでズブかった。京都は勝負どころが下り坂。京都の長丁場が得意な蛯名騎手の技術力が問われる。

●ミッキーロケット

これまで[3−5−0−2]でスプリングS5着、皐月賞13着を除き連対を確保。夏の北海道で3戦して力をつけ、前走神戸新聞杯は大外枠から中団につけ、メンバー最速の34.0秒で鋭く伸びてクビ差の2着。4コーナーで前が詰まって頭を上げたが、直線で鋭く伸びてサトノダイヤモンドにクビ差まで迫った。セレクトセールで9936万円で取り引きされた馬が頭角を現した。休み明けが多い中、夏場使われ、馬体を10キロ絞って仕上げてきたことも大きかったのだろう。バテにくい馬。和田騎手がロスなく回って持ち味を引き出せれば。

●レッドエルディスト

青葉賞は後方からメンバー最速の33.9秒で大外から追い込んで0.2秒差の2着。ダービーは出遅れて後方からメンバー7位タイの33.7秒で大外から追い込んで0.8秒差の9着。中団より前につけた馬が33秒台前半で上がる展開では厳しかった。前走神戸新聞杯は後方からメンバー3位の34.5秒で追い込み0.5秒差の3着。4コーナーで内からぶつけられて外に大きく振られるロスがあった。青葉賞、ダービー、神戸新聞杯は前半5Fより後半5Fが速い。末脚の威力とスタミナを兼ね備えた馬。レースが消耗戦に傾くかがカギ。

●カフジプリンス

デビューから10戦目の未勝利戦を勝った馬。新緑賞で2勝目を挙げ、夏の北海道の阿寒湖特別で豪快な大外一気で圧勝し3勝目。丹頂Sは前残りの展開で消極的な騎乗で6着。前走神戸新聞杯は中団の後ろからメンバー5位の34.6秒で伸びて0.5秒差の4着。直線で馬込みに入って追っても反応がなかったが、ラスト1Fでエンジンが掛かると鋭く伸びて3着レッドエルディストに頭差まで迫った。勝負どころでズブくエンジンの掛かりが遅いが、スタミナはデルタブルース級。ロスなく回れる1枠1番に入った。レースが消耗戦になれば。


■今年の菊花賞のポイント

●過去10年で関東馬は[0−0−2−42]。01年のマンハッタンカフェ以降未勝利

→ディーマジェスティには厳しいデータ。ただし二ノ宮厩舎は04年の菊花賞でホオキパウェーブが2着に入っている。ノウハウはある。

●逃げて連対した馬がジョルジュサンクとサトノエトワールの2頭しかいない

→ジョルジュサンクは前走神戸新聞杯で控えた。サトノダイヤモンドと同馬主のサトノエトワールがスローペースで逃げる可能性がある。

●スローの上がり勝負、上がりの掛かる消耗戦のどちらになるかで激走する馬は変わる

→里見氏はサトノダイヤモンド、サトノエトワールの2頭出し。金子氏はプロディガルサン、マウントロブソン、イモータルの3頭出し。

→笹田厩舎はエアスピネル、レッドエルディストの2頭出し。堀厩舎はウムブルフ、マウントロブソンの2頭出し。

→サトノエトワールが逃げてスローの上がり勝負に持ち込むのか、それを崩せる陣営がいるのが焦点。

★今年は相馬眼に評価できる馬で京都芝3000mの適性が高い馬が1頭いる。

★有力馬の死角、穴馬については有力馬診断、相馬眼予想での公開になります。

★先週の予想結果

◆競馬道場(競馬アナリストGM)
京都7R 馬連2,150円 3連単14,590円的中![◎○注]穴馬フォールインラブ激走!

◆MR予想(万馬券MR)
秋華賞 馬連3,550円的中!穴馬パールコード激走!
信越S 馬連2,950円 3連単28,040円的中!穴馬アルバタックス激走!

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