天皇賞(秋)
レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−2−1]で7連対。牡馬は[3−1−1−0]、牝馬は[2−1−1−1]。4歳以上の牡馬は[3−0−0−0]で勝率100%。2番人気は[0−3−2−5]で3連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。3番人気以内の決着は1回のみ。連対馬15頭が5番人気以内、残る5頭は7、7、7、7、10番人気。最近5年の馬連は32倍、11倍、31倍、73倍、24倍で中穴決着が多い。人気馬に7番人気前後を絡めて中穴を狙う馬券作戦が有効。

連対馬20頭のうち16頭が前走G2以上で5着以内。前走6〜9着は[1−2−1−35]、前走10着以下は[0−1−0−23]。前走6着以下から連対した4頭はG1実績馬だった。年齢別では3歳[0−2−2−9]、4歳[4−6−2−30]、5歳[5−2−4−35]、6歳[0−0−2−29]、7歳以上[1−0−0−40]で4、5歳馬が活躍。3歳馬は4番人気以内[0−2−3−3]、5番人気以下[0−0−0−6]。6歳以上の高齢馬は[1−0−2−69]で1連対のみ。

キタサンブラックはG1[5−1−3−2]の実力馬。今年は大阪杯、天皇賞(春)を連勝したが、単勝1.4倍に支持された宝塚記念は先行して直線で一杯になり1.3秒差の9着に終わった。G1を勝ったときの前半5Fと馬番は、60.2秒(4番)、61.8秒(1番)、61.7秒(1番)、59.6秒(5番)、58.3秒(3番)。今年の天皇賞(春)は前半5F58.3秒だったが、ヤマカツライデンが大逃げしたもので実質は緩い流れ。内枠から緩い流れで前に行き、上がりをまとめて粘り込むのが勝ちパターン。

前走宝塚記念は8枠10番、稍重で前半5F60.6秒。ラスト6Fは11.7−11.6−11.8−11.7−11.8−12.2秒。11秒台のラップが5F続いたことで差し追い込み馬が1〜3着に突っ込んでいる。キタサンブラックは緩い流れでラスト4Fを11秒台でまとめるのが勝ちパターンだが、宝塚記念は外枠から外を回ってラスト6Fから11秒台のラップが5F続いたことで直線で失速したのではないか。休み明けで大阪杯を勝ち、中3週で天皇賞(春)をレコードで勝った疲れもあったか。

今週から東京はA→Bコースに変更される。土曜は曇り後雨、日曜は曇り時々雨の予報が出ている。先週は馬場が渋って真ん中より外が伸びていたが、Bコース変更でどう変化するか。大阪杯を勝っており、芝2000mは距離不足ということはないが、ロードヴァンドールの出方が気になるところ。キタサンブラックの死角は見えているだけに有利な展開にならないか。厳しい展開になったときは真価が問われる。秋華賞のルメール騎手の神騎乗で武豊騎手は今スイッチが入っている。包囲網を突破して勝利に導けるか。

リアルスティールは昨年ドバイターフでG1初制覇。天皇賞(秋)では中団の後ろからメンバー最速タイの33.5秒で伸びて0.2秒差の2着に入った。その後はジャパンC5着、中山記念8着と精彩を欠いたが、前走毎日王冠を中団からメンバー4位タイの32.8秒で差し切って優勝。共同通信杯でドゥラメンテに勝った東京芝1800mで完全復活を果たした。芝2000mは[0−2−0−0]で皐月賞、天皇賞(秋)2着。好相性のMデムーロ騎手がサトノクラウンに騎乗するため、テン乗りのシュミノー騎手に乗り替わる。

前走勝って平地G1に出走したディープインパクト産駒は[16−11−12−66]で16勝を挙げている。年齢別では2歳[4−1−1−4]、3歳[12−8−6−38]、4歳[0−0−2−12]、5歳[0−2−3−8]、6歳以上[0−0−0−4]で4歳以上は[0−2−5−24]で未勝利。今年は阪神大賞典を勝ったサトノダイヤモンドが天皇賞(春)で3着に負けている。リアルスティールは前走毎日王冠でMデムーロ騎手が騎乗して走り過ぎた可能性がある。馬の体力、矢作厩舎の技術力で克服できるか。

前走宝塚記念を勝ったサトノクラウン、前走毎日王冠2着のサトノアラジン、同3着のグレーターロンドン、同8着のソウルスターリング、前走オールカマー2着のステファノス、前走札幌記念3着のヤマカツエース、前走クイーンエリザベス2世Cを勝ったネオリアリズム、札幌記念勝ち馬サクラアンプルール、前走宝塚記念4着のシャケトラ、同5着のレインボーライン、前走京都大賞典4着のミッキーロケットなど。今年は18頭のうち8頭が休み明け。ジャパンCの叩き台にしている馬と距離的にここで勝負を懸ける馬が混在している。

サトノクラウンは香港ヴァーズと宝塚記念を勝ちG1を2勝。馬場を考えると凱旋門賞にサトノクラウンを使った方が良かったか。芝2000mは[1−0−0−5]で弥生賞を勝っている。過去2年の天皇賞(秋)は17、14着。芝2200〜2400mは[4−0−1−1]。距離的にはジャパンCが目標(香港登録なし)になりそうだが、Mデムーロ騎手が騎乗するだけにいきなり全開もありえる。国内で稍重以上では[4−0−0−1]。雨が降って馬場が渋り、G1らしいタフなレースになると激走があってもおかしくない。

サトノアラジンは安田記念を大外一気でG1初制覇を飾り、前走毎日王冠でクビ差の2着に入った。勝ったリアルスティールより1キロ重い58キロを背負っていた。国内の芝2000mは[2−0−1−0]。折り合い次第で距離はこなせるが、飛びが大きいだけに渋った馬場は得意ではない。グレーターロンドンは安田記念で0.1秒差の4着に入り、前走毎日王冠で後方からメンバー最速の32.6秒で追い込んで0.2秒差の3着。一線級が相手でも通用することを示した。母は快速馬ロンドンブリッジ。距離2000mの克服がカギ。

ソウルスターリングは前走毎日王冠で1番人気に支持されたが、前半5F60.0秒で逃げて直線で一杯になり0.5秒差の8着。オークスと毎日王冠は後半5F57.8秒。それを考えるともっと走れるはずだが、休み明けと逃げて終始プレッシャーをかけられたことが影響したか。叩き2戦目で一変に注意したいが、稍重の桜花賞で3着に負けただけに渋った馬場がどう出るか。ステファノスは天皇賞(秋)2、3着。今年はステップを変えて前走オールカマー2着。叩き2戦目は[2−3−1−1]。3年連続外めの枠がどう出るか。

ヤマカツエースは昨年12月以降、金鯱賞1着、有馬記念4着、金鯱賞1着、大阪杯3着、札幌記念3着と安定している。昨年の天皇賞(秋)は宝塚記念、札幌記念を使った影響で本調子ではなく15着。今年は宝塚記念をパスしてここで勝負にきている。惨敗が続いている東京コースがカギ。ネオリアリズムは中山記念、クイーンエリザベス2世Cを連勝。芝2000mは[5−1−0−4]で昨年の札幌記念(稍重)でモーリスに勝っている。堀厩舎はサトノクラウンと2頭出し。何か仕掛けてくるか。テン乗りのシュタルケ騎手が騎乗する。

今年の平地G1は15レース行われ、ルメール騎手とMデムーロ騎手が各4勝。ヴィクトリアマイル以降の8レースは、ルメール騎手が4勝、Mデムーロ騎手が3勝、川田騎手が1勝。秋華賞はディアドラが勝ったが、ルメール騎手の神騎乗があった。今回はルメール騎手がソウルスターリング、Mデムーロ騎手がサトノクラウンに騎乗する。シュタルケ、シュミノー、Cデムーロ騎手も騎乗するため、騎手技術が問われるレベルの高いレースになりそうだ。外国人騎手を素直に買うか、日本人騎手を買うかは、あなた次第です(笑)

WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM

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