京都記念
レース回顧
クリンチャーは内の4番手につけ、メンバー2位の36.1秒で馬群を割って抜け出しレースを制した。勝ちタイムは2分16秒3。クロコスミアが逃げて前半5F63.0秒(重)のスローペース。ラスト5Fからペースアップして5F60.7秒。タフな馬場で上がり勝負になった。クリンチャーは不良馬場の菊花賞で2着に入った馬で渋った馬場、タフな馬場が合うタイプ。重馬場で内をロスなく回り、アルアインとレイデオロより2キロ軽い55キロ。菊花賞のように早めに捲ると切れ負けの懸念があったが、藤岡佑騎手が内でタメて末脚の切れを引き出した。この日、藤岡佑騎手は4勝を挙げて絶好調だった。クリンチャーは母の父ブライアンズタイム。この血が流れる馬は腹袋があって分厚い造りをした馬が走るが、まさにクリンチャーはそのタイプ。今回は恵まれた面があったが、皐月賞馬アルアイン、ダービー馬レイデオロに勝ったことを評価したい。また条件が揃えば、激走がありそうだ。昨年の皐月賞で上位争いした馬はその後活躍している点に注意したい。
アルアインは大外枠スタートから中団の外を進み、メンバー3位タイの36.2秒で伸びて0.2秒差の2着。レイデオロとの叩き合いをクビ差で制した。切れより地力タイプでタフな馬場をこなすタイプ。休み明けで大外枠から外を回ったことを考えると上々の内容。レースを使いながら少しずつパフォーマンスを引き上げている。芝2200m以下では[4−2−0−1]で致命的な不利があったシンザン記念6着を除き連対を確保。次走は大阪杯。同厩のサトノダイヤモンドが強敵になりそうだ。
レイデオロは中団からメンバー5位の36.4秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で早めに抜け出しかけたが、そこでモタモタしたが、最後は地力で何とか3着を確保。スタートで後手を踏み、道中折り合いを欠き気味だったことが影響している。テン乗りのバルジュー騎手と乗りなれたルメール騎手には大きな差があった。タフな馬場をこなせないと凱旋門賞を勝つのは厳しいかもしれない。休み明けで馬体は4キロ増えていたが、腹目はスッキリしていた。厚みを増してこないと底力が強化されない可能性がある。次走はドバイシーマクラシック。タフな馬場になったときに真価が問われそうだ。
モズカッチャンは後方から最内を突いてメンバー最速の35.9秒で伸びて0.2秒差の4着。3着レイデオロとはハナ差。Mデムーロ騎手が上手く立ち回ったが、内が伸びにくい馬場でここまでが精一杯。それでも牡馬を相手に善戦できたことは今後に繋がる。馬体が成長してさらに地力強化された感がある。本来は叩き良化型だが、休み明けでこれだけ走れば十分。今後に向けて好スタートを切った。
ディアドラは後方からの伸び切れず6着。渋った馬場はこなすが、直線で追っても伸びなかった。休み明けでさらに馬体が8キロ増えて過去最高となる500キロ。休み明け、テン乗りの福永騎手が騎乗するとことで陣営はお茶を濁したか。ルメール、Mデムーロ騎手を乗せてきたら要注意。
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