フェブラリーS
レース回顧

ノンコノユメは後方3番手を進み、直線入り口では最後方にいたが、メンバー最速の36.1秒の強烈な末脚を繰り出し、最後はゴールドドリームとの叩き合いをクビ差で制した。例年より時計の掛かる馬場で勝ちタイムは1分36秒0。14年も1分36秒0で決着したが、前半5F60.6秒で今回より2.3秒遅い流れだった。ニシケンモノノフが逃げて前半3F34.1秒、5F58.3秒のハイペース。前半3Fは34.1秒、後半3F37.7秒でその差は3.6秒。過去10年の最大差は2秒程度だったが、例年以上にタフな馬場の消耗戦で完全前崩れになった。ノンコノユメは昨年のフェブラリーSで36.0秒で上がって0.6秒差の7着に終わったが、今年はハイペースで前崩れの展開になり、大外からメンバー最速の36.1秒で差し切った。例年なら上がり36.1秒では届かないが、今年は時計の掛かるタイプな馬場でハイペースだったから届いたのだろう。ノンコノユメは脚抜きのいい軽い馬場の方が得意だが、根岸Sとは正反対の重いタフな馬場でゴールドドリームを差し切ったことを評価したい。セン馬になった後に不振に陥ったが、全く違う馬場状態の重賞を連勝し完全に復活した。ただし2戦ともハイペースで前崩れの展開だったことは考慮しておきたい。今後は地方交流G1を使い、秋はチャンピオンズCが目標になりそうだ。今年18年目の加藤征調教師は中央G1初制覇となった。

ゴールドドリームは中団の外からメンバー2位の36.4秒で早めに抜け出したが、最後にノンコノユメに交わされてクビ差の2着。直線でノンコノユメに並ばれたときにひと伸びして抜かせないようにしたところに底力を感じさせた。昨年のフェブラリーSは早仕掛けで勝ったが、今年はハイペースで前崩れの展開でいかにも早仕掛けだった。ムーア騎手も敗因は早仕掛けとコメントしている。前走チャンピオンズCでは馬体が14キロ増えていたが、今回は休み明けで14キロ絞れていた。東京ダ1600mはベストだけに休み明けでもビシッと仕上げた結果なのだろう。最終調教は坂路で1番時計を出していた。今後はドバイに遠征せず、国内に専念する予定。まだ出遅れ癖は払拭されていない。地方の重いダートでは出遅れる可能性がある。

インカンテーションは7番手からメンバー3位の36.7秒で伸びてクビ+クビ差の3着。直線で交わされた後にひと伸びして食い下がった。1、2着馬より前につけており、展開は楽ではなかったが、15年のフェブラリーS2着馬が底力を見せた。これで東京ダ1600mは[1−1−1−1]。昨年勝った武蔵野Sは前半5F60.0秒で前残りの展開だったが、全く違う流れで差すレースをして3着に入ったことを評価したい。今年8歳になったが、全く衰えはなさそうだ。三浦騎手は東京ダ1600m得意。4月からの東京開催で注意したい。

サンライズノヴァは大外枠スタートから中団につけ、メンバー5位タイの37.0秒で伸びて0.6秒差の4着。3着とは3馬身差。大外枠から中団につけたが、流れを考えるともっとタメた方が良かったか。良発表でも雨が降っていたユニコーンSを圧勝し、重馬場の根岸Sで2着。時計の掛かる良馬場より、脚抜きのいい馬場が合うタイプ。1〜3着馬に底力も負けたが、馬場も合わなかった。

アウォーディーは中団からズルズルと後退したが、最後に内からしぶとく伸びて1.6秒差の9着。道中砂をモロに被って馬が嫌気を出した印象。タフで時計の掛かる馬場は合うだけに距離ロスがあっても外枠ならもっとやれたのではないか。流れが速過ぎたこともマイナスに働いた。

テイエムジンソクは3番手につけたが、直線で一杯になって12着。前の2頭を外から見ながら追走したが、直線ではいつもの粘りがなかった。初のダ1600mで前半5F58.3秒で道中息が入らなかったのだろう。心肺機能が高い馬。4つのコーナーがあるコースで見直したい。

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