阪急杯
レース回顧
ダイアナヘイローは途中からハナを切って単騎逃げに持ち込み、メンバー16位の34.6秒で後続を完封し、1分20秒1で制した。前半3F34.2秒、5F56.9秒でラスト3Fは11.4−11.2−12.0秒。最後は一杯になってラスト1Fのラップが落ちたが、33秒台で上がった1、2番人気のモズアスコット、レッドファルクスの位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。流れは速かったが、武豊騎手が単騎逃げに持ち込んで持ち味のしぶとさを上手く引き出している。昨年1000万条件から4連勝で北九州記念を制した馬。その後はスプリンターズS15着、シルクロードS16着で惨敗が続いたが、引退する福島信調教師(イクノディクタス、ミスタートウジン、ナルシスノワールなど)の最後の重賞を勝利で飾った。これで逃げたときは[4−1−0−1]。今後は大根田厩舎に転厩し、高松宮記念を目指すことになりそうだ。武豊騎手は89年のホリノライデン(目野厩舎、逃げ切り)以来30年ぶりの阪急杯制覇となった。
モズアスコットは中団の後ろから外を回ってメンバー3位の33.7秒で伸びてクビ差の2着。外から鋭く伸びてきたが、あと一歩届かなかった。前走阪神カップでは大外を回って強引に上がって最後に一杯になって4着に終わったが、今回はルメール騎手が直線まで脚をタメて切れ味を引き出した。阪神カップよりメンバーレベルは高くなかったが、これで重賞で通用するメドは立った。3着レッドファルクスとはハナ差。2着で賞金を加算できたのは大きい。相馬眼的に大化けする可能性があるフランケル産駒。今後はG1を目指すことになりそうだが、高松宮記念は賞金的に厳しいか。マイラーズC、京王杯SCから安田記念を目指すことになりそうだ。
レッドファルクスは後方4番手からメンバー最速の33.4秒で追い込んでクビ+ハナ差の3着。強烈な末脚を繰り出し、ゴールした後は突き抜けていた。開幕週の馬場で後方に控え過ぎた感が強いが、川田騎手は陣営から「終いの脚を生かすレースをして欲しい」という指示があったとコメントしている。もう1列前につければ、差し切っていたのではないか。他馬より重い58キロを背負っていたことも考慮しておきたい。直線に坂があるコースで強烈な末脚を繰り出せるタイプ。次走は高松宮記念。最終週の馬場状態によってはレーヌミノルを捕まえられない可能性が少しある。
ニシノラッシュは1枠1番スタートから好位につけ、メンバー12位タイの34.4秒で伸びて0.1秒差の4着。前走1600万条件を勝った馬が見せ場を作った。調教診断で馬体がボリュームアップしてバランスが良くなったと書いたように充実してきている。14年の京王杯2歳S3着馬がようやく本格化してきた。ガツンと切れる脚はないが、立ち回りが上手い持ち味を生かし切れれば、どこかで激走がありそうだ。
ペイシャフェリシタは中団からメンバー5位タイの34.1秒で伸びて0.1秒差の5着。直線で外から伸びて一瞬見せ場を作ったが、そこから伸び切れなかった。松田騎手は「芝1200mの方が切れる脚を使える」とコメント。3走前の浜松S(中京)を1分7秒6(ラスト3F尻上がり)で勝った馬で高松宮記念でもやれそうだが、賞金を加算できなかった。今後はサマースプリントシリーズを目指すことになりそうだ。
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