中山牝馬S
レース回顧

カワキタエンカは大外枠からハナを切ってマイペースで進め、上がりを35.4秒(11位タイ)でまとめて1分49秒0でレースを制した。稍重で前半5F61.3秒の緩い流れで前残りになった。道中は12.0〜12.3秒で極端にラップを落とすことなく進め、平均ペースでバテない持ち味を横山典騎手が上手く引き出した。前走洛陽S10着は不甲斐なかったが、中山牝馬Sのハンデを意識した面もあるのだろう。昨年のローズSで逃げてリスグラシュー、モズカッチャンを完封して2着に粘ったのは、やはりダテではなかった。これで芝1800mは[3−2−0−0]、叩き2戦目は[2−1−0−0]。今回は芝1800m、叩き2戦目と激走の条件が揃っていた。次走は中山牝馬Sと関連性が強い福島牝馬Sに向かうことになりそうだ。

フロンテアクイーンはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー6位タイの35.1秒でまとめて半馬身差の2着。スローで前残りになるとみた北村宏騎手がいつもより前につけ、内ラチ沿いをロスなく回って持ってきた。パドックでイレ込むタイプだが、今回はそれほどテンションが高くなかった。ここにきて馬体に厚みが増し、パワーアップしてきている。芝1800mは[2−3−0−1]で安定して走っている。次走は昨年クビ差の2着に入った福島牝馬Sで重賞初制覇を目指すことになりそうだ。

レイホーロマンスは後方からメンバー最速の34.5秒で大外から追い込んで0.3秒差の3着。差し追い込み馬が伸びあぐねる中、この馬だけが伸びてきた。前走愛知杯でも最速上がりを繰り出して2着に突っ込んでいる。前走愛知杯は51キロで2着。今回は52キロで3着。ハンデ重賞で軽ハンデで激走した馬は一気にハンデが重くならず、再度激走することが多い。馬体が12キロ減って少し細くなり408キロ。小柄な牝馬だが、タフな馬場をこなすタイプ。半兄にスズカデヴィアス。牝馬限定のハンデ重賞で注意したい。

トーセンビクトリーは内枠スタートから5番手につけたが、直線で伸び切れず0.3秒差の4着。好位置につけたが、直線で伸び切れなかったのは稍重の馬場でトップハンデ56キロが堪えたのではないか。昨年の中山牝馬Sを勝ったが、今回より3キロ軽い53キロだった。芝1800mは[4−2−3−4]でベストの距離。次走の福島牝馬Sに向かうことになりそうだ。

ゲッカコウは4番手につけたが、直線で伸び切れず0.4秒差の6着。直線で一瞬見せ場を作ったが、そこからひと伸びがなかった。これまで7回の連対は全て良馬場だけに稍重の緩い馬場が影響したのだろう。昨年のディセンバーSではマイネルハニーに0.1秒差の2着に入り、3着グレーターロンドンを完封している。良馬場なら牝馬限定重賞で激走があってもおかしくない。

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