福島牝馬S
レース回顧

キンショーユキヒメは出遅れて後方を進み、直線で外からメンバー最速の35.4秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒8。カワキタエンカが逃げて前半3F35.1秒、5F59.0秒で差し馬向きの流れになった。キンショーユキヒメは後方でじっくり脚をタメ、早めに動いた馬が最後に一杯になる中、最後に鋭く伸びて一気に差し切った。5走前のムーンライトHはラスト5F58.2秒でラップは全て11秒台。この流れを中団から差し切ったように末脚の持続力が優れたタイプ。今回は展開が向いたこともあるが、秋山騎手が道中上手くタメて持ち味を引き出している。格上挑戦で臨んだ昨年のマーメイドSでは2着クインズミラーグロ(昨年の福島牝馬S3着)と同タイムの4着。重賞でやれる下地はあった。キンショーユキヒメは重賞初制覇、秋山騎手は全10場重賞制覇となった。次走はヴィクトリアマイルに挑戦することになりそうだ。

カワキタエンカはハナを切って前半5F59.0秒で飛ばし、メンバー3位の36.1秒でまとめてクビ差の2着。直線で外からデンコウアンジュに交わされたが、最後までしぶとく伸びて差し返し2着を確保。前走中山牝馬Sは前半5F61.3秒のスローペースだったが、今回は前半5F59.0秒の速い流れでよく粘っている。昨年のローズSでは前半5F58.6秒で逃げて2着に粘ったように速い流れでも踏ん張れるタイプなのだろう。これで芝1800mは[3−3−0−0]で連対率100%をキープ。前走より1キロ増、速い流れでパフォーマンスを引き上げている。次走はヴィクトリアマイル。芝1600mは[0−0−1−3]だが、強気の逃げで活路を開くか。

デンコウアンジュは中団の後ろから早めに捲って4コーナーで2番手に押し上げ、メンバー2位の35.7秒で上がってクビ+クビ差の3着。直線で逃げたカワキタエンカを交わしたが、最後に差し返され、外からキンショーユキヒメにも差された。昨年の福島牝馬Sは強引に捲って直線で失速して4着に終わったため、今年は一気に脚を使い切らないように捲ってきたが、それでも連対までいかなかった。瞬発力が落ちると小回り向きになりそうだが、現状は実績のある東京芝1600mがベスト。次走は昨年2着のヴィクトリアマイル。馬体が14キロ減っていたが、昨年は16キロ減っていた。さらに大きく減るようなことがなければ問題なさそう。

レイホーロマンスは中団の内から馬群を捌いてメンバー5位の36.2秒で伸びて0.6秒差の5着。4コーナーで下がってきた馬がいてスムーズさを欠いたことが堪えた。最後はしぶとく伸びており、スムーズならもっとやれたのではないか。結果的に内枠に入ったことがアダになった。岩崎騎手は同日の福島芝2000mの未勝利戦で内から捌いて勝ったが、福島牝馬Sは流れが速くなり前に行った馬が急激にバテて下がってきたことが誤算だったか。小柄な牝馬でも末脚がしっかりした馬。どこかで重賞制覇のチャンスがありそうだ。

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