天皇賞(春)
レース回顧
レインボーラインは内ラチ沿いの中団の後ろを進み、直線で外に出せず内に切れ込んでメンバー最速の35.2秒で最後に交わしてクビ差でレースを制した。勝ちタイムは3分16秒2。ヤマカツライデンが逃げて前半5F60.1秒。中盤に流れが緩んで後半5F60.6秒でラップは12.6−12.1−12.1−11.4−12.4秒。例年は前半5Fより後半5Fの方が速くなるが、今年は逆になり上がりの掛かる消耗戦になった。レインボーラインは6枠12番スタートだったが、岩田騎手が内にねじ込んで道中内ラチ沿いをロスなく進んで脚をタメれたことが大きかった。心肺機能が高く消耗戦に強いタイプ。これまでも札幌記念3着、菊花賞2着、天皇賞(秋)3着(不良)で心肺機能の高さを示していた。母系に菊花賞2着馬レインボーアンバー。この一族は心肺機能が高く消耗戦に強いタイプが多い。馬場を考えるともっと上がりが速くなってもおかしくないが、これが今年のレベルなのだろう。ゴールした後に歩様がおかしくなり岩田騎手が下馬。右前肢跛行と診断されたが、現役を続けられるかどうかは精密検査の結果次第になる。
シュヴァルグランは4番手から徐々に進出して直線入り口で2番手に押し上げ、直線でガンコを交わして先頭に立ったが、最後にレインボーラインに内から交わされてクビ差の2着。上がりはメンバー5位の35.8秒。ボウマン騎手が正攻法のレースで勝ちに行ったが、最後に少し甘くなった。G1で初めて1番人気に支持され、いつもとは違うマークされる立場で正攻法のレースをして2着に粘ったことを評価したい。前走大阪杯は13着に終わったが、宝塚記念で9、8着に負けているように阪神内回りは合わないこともあるのだろう。調教でも攻めていなかった。芝3000mの阪神大賞典を使わずに芝2000mの大阪杯でお茶を濁して余力を残したというのが正解なのではないか。今後は宝塚記念は使わず春は休養し、秋は京都大賞典、ジャパンC、有馬記念になりそうだ。
クリンチャーは内の7番手から徐々に進出して直線で外に出し、メンバー4位の35.7秒で上がって0.1秒差の3着。テン乗りの三浦騎手がロスなく進めて上手く乗ったが、あと一歩足りなかった。現時点の力は出している。レインボーラインは菊花賞2着馬、シュヴァルグランは天皇賞(春)2着馬、クリンチャーは菊花賞2着馬。人気が割れて混戦と言われたが、京都の長距離戦で実績のある3頭で決着した。クリンチャーは良馬場でも走れるが、渋った馬場の方が他馬が苦にするぶん有利になる。馬場が渋ったときは要注意。今後はひと息入れて秋はフォワ賞から凱旋門賞に向かう予定。
ミッキーロケットは1枠1番から内ラチ沿いをロスなく回りメンバー3位の35.5秒で最内から伸びて0.2秒差の4着。休み明け、58キロ、G1と条件は厳しかったが、1枠1番からロスなく回って見せ場を作った。1枠2番のチェスナットコートは内ラチ沿いをロスなく回って0.3秒差の5着。1枠からロスなく回れることはやはり有利だった。
スマートレイアーは最後方から大外を回ってメンバー2位の35.3秒で追い込んで0.6秒差の7着。最後は大外から伸びてきたが、いかにも位置取りが後ろ過ぎた。四位騎手は後方に控えたのは調教師の指示だったとコメント。上がりはレインボーラインに0.1秒差。レインボーラインの位置につければもう少しやれたのではないか。
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