京王杯SC
レース回顧

ムーンクエイクは中団の外につけ、メンバー3位の33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分19秒5はレコード。トウショウピストが逃げて前半3F34.2秒、5F56.6秒の速い流れで差し馬向きの展開になった。ムーンクエイクはルメール騎手がこの日の勝てるポジション(中団の外)につけて持ち味の高速ラップの持続力を発揮した。前走洛陽Sはテン乗りのバルジュー騎手で折り合いを欠き、4コーナーで外に膨れるロスがあって5着に終わったが、乗り慣れたルメール騎手に戻って走りが一変した。重賞未勝利馬が初の芝1400mでG2をレコードで優勝。これはマイル路線のレベルが低いことを示している。日曜のヴィクトリアマイルでも重賞未勝利のジュールポレールが制している。次走は安田記念。芝1600mは[4−2−0−3]、東京芝1600mは[2−0−1−2]。京王杯SCよりかなりメンバーが強くなるが、ルメール騎手が騎乗するなら注意は必要か。

キャンベルジュニアは外枠スタートから8番手の外につけ、メンバー6位の33.4秒でしぶとく伸びて頭差の2着。いつもより位置取りが後ろになったが、流れを考えるとちょうど良かったか。石橋脩騎手がズブい馬を目一杯に追って持ってきた。青葉賞でも目一杯に追ってエタリオウを2着に持ってきている。これまで芝1400mでは11、10、11着に終わっていたが、2戦が渋った馬場、1戦が出遅れて後方からのレースだった。パンパンの良馬場の高速馬場である程度前につけて走りが一変した。流れが速くなりやすい芝1400mは合っている。

サトノアレスは後方からメンバー2位の32.7秒で大外から追い込んで頭+ハナ差の3着。蛯名騎手は安田記念を意識した乗り方をした模様。1枠1番で下げざるをえなかったこともあるのだろう。これで東京の良馬場では[1−2−1−0]で上がりは1、1、1、2位。直線の長い東京でパンパンの良馬場ならかなりの脚が使える。荒れ馬場の朝日杯FS勝ち馬だが、本質はパンパンの良馬場での瞬発力で勝負するタイプ。次走の安田記念は流れと位置取りがマッチすれば突っ込みがあるかもしれない。

グレーターロンドンは最後方からメンバー最速の32.5秒で追い込んで0.1秒差の4着。初の芝1400mで速い流れで追走に苦労した模様。最後は鋭く伸びてきただけにもう少し前につければ差し切れたかもしれない。田辺騎手は差し追い込み馬で下げ過ぎる傾向がある。前に行ったり、途中から捲ったり、最後方から追い込んだり、戦法が定まっていない。能力はあるが、馬がどうすればいいのか戸惑っているのではないか。92年の天皇賞(秋)を勝ったレッツゴーターキンのように直線一気に磨きをかければ天皇賞(秋)で一発の可能性がある。

リライアブルエースは中団からメンバー4位の33.3秒で伸びて0.2秒差の6着。直線で外に出せずにごちゃついて追い出しが遅れるロスがあった。最後は鋭く伸びてきただけにまともなら勝ち負けに加われたのではないか。戸崎騎手はNHKマイルCのプリモシーンでもごちゃついて脚を余して5着に負けている。重賞で下手に乗る確率は90%以上か。よく調教されてハンドリングのいい藤原英厩舎の管理馬を除き、重賞では割り引いた方が良さそうだ。

ダンスディレクターは中団後ろから伸び切れず15着。上がりは33.6秒。武豊騎手は脚捌きがイマイチだったとコメント。少し緩い馬場が合うタイプ。週中に雨が降ってダートは稍重だったが、芝はパンパンの良馬場で超高速馬場だった。こういう馬場が合わないのではないか。使える脚がそれほど長くないため、直線の長い東京より一瞬の切れ味を生かせるコースが合っている。

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