ヴィクトリアマイル
レース回顧
ジュールポレールは8番手の外からメンバー2位の33.3秒で抜け出し、最後はリスグラシューの追撃をハナ差完封してレースを制した。勝ちタイムは1分32秒3。カワキタエンカが逃げて前半3F35.2秒、前半5Fは58.3秒、後半5F34.0秒。雨が降って稍重になったが、高速馬場のままで流れが緩んで上がり勝負になった。ジュールボレールは内枠からスタートを決めて勝ちポジション(中団の外)につけたこと、レースが上がり勝負になったことが大きかった。上がり勝負になったことで上がり勝負に強いジュールボレールが勝ち、レッドアヴァンセが3着。どちらの流れにも対応できるリスグラシューが2着。上がり勝負が得意ではないアエロリットが飛ばしていれば、違った結果になったのではないか。ジュールポレールは昨年重馬場の阪神牝馬Sと稍重のヴィクトリアマイルで3着に入った馬。ヴィクトリアマイルはリピーターが強いレースだが、今年は昨年勝ったアドマイヤリードではなく、ジュールボレールの方だった。サダムパテックの半妹がG1初制覇。重賞初制覇がG1制覇となったのは、今のマイル路線のレベルの低さを示している。安田記念は中距離馬に持っていかれるのではないか。今後は安田記念は使わずに休養し、秋は府中牝馬SからマイルCSに向かう予定。
リスグラシューは13番手からメンバー最速の32.9秒で伸びてハナ差の2着。直線でスペースがなく少し追い出しを待たされたが、武豊騎手が落ち着いて捌いてきた。最後に外から物凄い脚を使ったが、ハナ差届かず2着。これで阪神JF、桜花賞、秋華賞に続き、G1で4度目の2着。Mデムーロ騎手が騎乗してガツンと追えばあっさり勝つのかもしれないが、目一杯の競馬をすると今後の成長を阻害しかねない。奥手のハーツクライ産駒でまだ成長が見込める。実際、馬体はデビュー当時より20キロほど大きくなって成長している。武豊騎手が教育して馬は少しずつ強くなっている。いずれこのコンビでG1を勝つときが来るのではないか。次走は安田記念。引き続き武豊騎手が騎乗することになった。芝1600mは[2−4−2−0]、東京芝1600mは[2−1−0−0]。牡馬を相手にどこまでやれるのか楽しみだ。
レッドアヴァンセは4番手からメンバー4位の33.6秒で伸びてハナ+クビ差の3着。直線で早めに抜け出して見せ場を作ったが、早めに動いたぶん最後は少し脚が鈍った。上がり勝負に強いタイプ。最終調教の動きが目立ったように調子も良かったのだろう。母はエリモピクシー。半兄クラレントはNHKマイルC3着、安田記念3着、レッドヴェイロンはNHKマイルC3着。この一族は東京マイルG1で3着に来ることが多い。今後は休養して府中牝馬Sあたりで復帰することになりそうだ。
アエロリットは好位から徐々に押し上げて直線で抜け出しかけたが、最後に伸び切れず0.1秒差の4着。上がりは12位タイの34.0秒。切れより地力タイプで上がり勝負になって切れ負け。流れが緩むとこうなることは誰もが分かっていたが、渋った馬場で時計、上がりが読みにくかったこともあり、結局は上がり勝負になった。レース後に左前脚の落鉄が判明。いつ落鉄したのかは分からないが、影響があったのかもしれない。次走は安田記念。パンパンの良馬場の消耗戦で古馬相手にどこまで踏ん張れるか。超スローの逃げという秘策もある。
アドマイヤリードは中団の後ろからメンバー6位タイの33.7秒で伸びて0.7秒差の8着。前半から下げて脚をタメようにMデムーロ騎手の流れの読みが展開と逆に出た印象。直線でも伸びない内を突いていた。渋った馬場は得意な馬だが、雨で緩んでも高速馬場というのが合わなかったのかもしれない。もっと時計の掛かる馬場で狙いたい。
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