平安S
レース回顧

サンライズソアはハナを切ってスローペースで進み、メンバー5位の37.0秒で上がってそのまま逃げ切った。勝ちタイムは1分57秒3(稍重)。前半5F62.7秒のスローペースでラスト5Fからペースアップし、11.9−11.7−12.1−12.3−12.6秒でまとめて逃げ切った。最後はラップが落ちたが、Mデムーロ騎手が早めにスパートして持ち味のしぶとさを引き出した。前走ブリリアントSは出遅れて14着に終わったが、2走前の名古屋大賞典を勝ったときと同様に逃げて走りが一変した。ここにきて馬体がボリュームアップして本格化してきた。4歳馬のため6月になると賞金が半減するため、帝王賞に使うのは難しそう。今後はひと息入れて秋に復帰することになりそうだ。

クイーンマンボは外枠スタートから6番手につけ、メンバー2位の36.7秒でしぶとく伸びて0.2秒差の2着。これでダートでは[4−3−1−0]で3着以内を確保。3歳時に阪神ダ1800mの500万条件を1分51秒2の好タイムで勝っており、中央でやれる下地があったが、ルメール騎手が上手く乗って持ってきた。角居厩舎の管理馬らしい馬体の造りで4歳馬だけにまだこれから強くなる。次走はブリーダーズゴールドCに向かう予定。今後は地方交流の牝馬限定重賞を勝ちまくりそうだ。

クインズサターンは中団の内で脚をタメ、直線で外に持ち出してメンバー最速の36.3秒で伸びて0.2秒差の3着。2着クイーンマンボとはハナ差。距離延長はプラスではないが、流れが緩んだこと、内をロスなく回ったことで対応できた。これでマーチS2着、アンタレスS3着、平安S3着と3戦連続で馬券圏内を確保。以前より終い一辺倒でなくなり、自在性が増している。かなり使い込んでいるため、そろそろひと息入れることになりそうだ。

ミツバは1枠1番から後方を進み、向こう正面で外から動いて先団に押し上げ、メンバー8位タイの37.1秒でしぶとく伸びて0、3秒差の4着。前走アンタレスSより遅い流れで持ち味の地力を生かし切れなかったか。阪神ダートは[4−4−1−5]、京都ダートは[1−0−2−5]。地力タイプだけに坂のある阪神の方が合っている。1枠1番で気の悪さを出してもおかしくなかったが、まともに走ったようにここにきて精神面の成長がみられる。次走は帝王賞に向かう予定。

グレイトパールは後方を進み、向こう正面で動いて4番手に押し上げ、メンバー5位タイの37.0秒で上がって0.3秒差の5着。ダートで6戦6勝だったが、初めて先着を許した。いつものように早めに捲っていたが、流れが緩んだことで最後は切れ負け。前走長期休み明けを使われたが、馬体が8キロ増えて少し太く映った。この流れならもっと速い上がりを繰り出せる馬だが、馬体が増えた影響があったのではないか。昨年の平安SはG1級のパフォーマンスだったが、復帰後2戦はパフォーマンスを落としている。デキが戻れば、相馬眼的にG1を狙える馬という評価は変わらない。

テイエムジンソクは内ラチ沿いの4番手を進み、勝負どころで馬群に包まれて動けず、最後はジリジリとしか伸びず0.3秒差の6着。上がりはメンバー8位タイの37.1秒。距離ロスが合っても外枠スタートから外を回ってスムーズなレースをした方が力を発揮するタイプ。内枠で乗り難しかった面もあるが、この流れならハナに行く手もあった。直線で伸び切れなかったのは、休み明けで58キロを背負っていた影響もあるのだろう。パドックでは珍しくテンションが高かった。6歳馬だけにピークを過ぎた可能性があるが、自分のレースができればG2、G3ならやれそうだ。

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