函館スプリントS
レース回顧

セイウンコウセイは1枠1番スタートから押してハナを切って前半3F33.1秒で進み、メンバー13位タイの34.5秒でまとめてレースを制した。勝ちタイムは1分7秒6。開幕週の高速馬場を考慮すると前半3F33.1秒は速くなく、前に行った馬が有利な展開だった。セイウンコウセイは昨年の高松宮記念勝ち馬。近走勝ち切れないレースが続いていたが、ハナを切ってマイペースで進めて逃げ切った。芝ダート問わず、逃げたときは[4−3−0−0]で連対率100%。スタートはワンスインナムーンの方が早かったが、池添騎手が押してハナを切ったことが良かったのだろう。1番人気に支持された昨年の函館スプリントSは前半3F32.2秒のハイペースに巻き込まれて4着に終わったが、今年はマイペースで進めて昨年の雪辱を果たした。前日のHTB賞(1000万)は前半3F32.8秒で勝ちタイムは1分7秒8。レースレベルは高くないが、あらためて逃げればしぶといことを示した。今後はひと息入れてスプリンターズSに向かう予定。

ヒルノデイバローは5、6番手につけ、メンバー6位の33.9秒で伸びてハナ差の2着。直線で内がごちゃついて脚を余した馬が多かったが、ヒルノデイバローは自分のスペースを確保して目一杯追うことができた。函館スプリントSは阪神芝1400mで実績のある馬が激走する傾向があるが、ヒルノデイバローは昨年の阪急杯で2着があった。昨年のスワンSでは3着レッツゴードンキ(高松宮記念2着)に先着し、オパールSではソルヴェイグ(16年函館スプリントS勝ち馬)の2着に入っている。芝1200mで先行したときは[0−2−0−0]で1分7秒台で走り、上がりは1位の33.9秒、3位の32.8秒。前2走10、17着で10番人気の低評価だったが、激走する下地が十分にあり、穴で狙って正解だった。芝ダート問わず、北海道では[2−2−0−1]。次走はキーンランドCに向かう予定。昨年のUHB賞(札幌)では1分7秒7で走ってクビ差の2着。メンバー次第で重賞初制覇のチャンスがありそうだ。

ナックビーナスは3番手からメンバー9位タイの34.3秒で伸びてハナ+クビ差の3着。3番手から早めに動いて勝ちに行ったが、逃げたセイウンコウセイを交わせず、最後にヒルノデイバローに交わされた。高松宮記念以来のレースだったが、大きな不利はなく自分の力は出している。1分7秒台の決着を1度しか経験しておらず、高速馬場が影響した感もある。G1の高松宮記念3着馬(55キロ)がG3で54キロを背負って3着。これが今のスプリントG1のレベルなのだろう。次走はキーンランドCに向かう予定。

アドマイヤゴッドは後方からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.2秒差の4着。前に行った馬が有利な馬場&展開で大外から鋭く伸びてきた。函館芝1200mは[1−1−0−2]で昨年の函館日刊スポーツ杯(1600万)を好位から抜け出して勝った馬。もう少し前がやり合って流れが速くなれば、馬券圏内があったかもしれない。北海道の洋芝が合うタイプ。北海道のOP特別に出走したら要注意。

ダイアナヘイローは出遅れた後に中団に押し上げたが、直線で前が壁になってほとんど追えず0.5秒差の9着。今年の阪急杯勝ち馬(阪神芝1400m)で函館芝1200mをこなす下地はあったが、出遅れて流れに乗れず、直線でもまともに追えなかった。今年3月以降の重賞で武豊騎手は[0−3−4−13]、5月以降は[0−1−0−8]で不振が続いている。

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