函館記念
レース回顧

エアアンセムは内ラチ沿いの4番手を進み、直線で外に持ち出してメンバー4位タイの34.7秒で抜け出して重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1分59秒8。カレンラストショーが逃げて前半5F60.3秒。後半5Fは59.5秒、上がりは35.0秒でラップは11.6−11.6−11.8秒。中盤に流れが緩んで上り勝負になり、中団より前につけた3頭で決着。エアアンセムは内枠からロスなく回って脚をタメ、直線でスパッと抜け出して快勝。流れ、位置取り、コース取りを味方につけての勝利。函館記念は内枠からロスなく回った馬が激走することが多いが、藤岡佑騎手が内枠を生かして上手く乗っている。今年の重賞で藤岡佑騎手は[5−1−2−15]で5勝を挙げ、単勝回収率222%、複勝回収率109%。流れを読んで上手く立ち回るレースが目立つ。エアアンセムは7歳馬だが、今が充実期。今後は秋に向けて休養する予定。

サクラアンプルールは内ラチ沿いの7番手を進み、勝負どころで少し外に持ち出してメンバー3位の34.6秒で上がって0.1秒差の2着。2枠3番から内ラチ沿いをロスなく回って脚をタメることができたことがラストの伸びにつながったのだろう。休み明けでトップハンデ57.5キロを背負っていたが、昨年の札幌記念勝ち馬が地力を示した。これでG1を除き、右回り、良馬場の芝2000mでは[3−1−1−0]で3着以内を確保。雨で馬場が降ると厳しかったが、良馬場で力を発揮できた。7歳馬でも大事に使われており、大きな衰えはない。次走は札幌記念で連覇を目指す予定。

エテルナミノルは外枠スタートから先行し、直線入り口で先頭に立ったが、外から2頭に交わされて0.2秒差の3着。上がりはメンバー8位の35.0秒。最後は切れ負けしたが、愛知杯勝ち馬が積極的なレースで13番人気で波乱を演出した。愛知杯を勝ったときも先行策。近走は出遅れて力を出し切れないレースが多かったが、先行して流れに乗れればしぶとい脚を使うことを示した。ただし今回は人気馬の位置取りが悪く、上がり勝負で脚を余しており、それが大きく味方した感が強い。かなり使い込んでいるが、次走はクイーンSに向かうことになりそうだ。

ブレスジャーニーは後方2番手からメンバー最速の34.1秒で大外から追い込んで0.2秒差の4着。3着とはハナ差。ラスト3Fが全て11秒台の上がり勝負で後方から大外ブン回しでは厳しかった。過去5年の連対馬10頭のうち9頭が4コーナーで4番手以内につけていた。直線が短いため、差し追い込み馬は早めに押し上げないと届かないが、それを考慮した騎乗ができなかった。右回りでは内にモタれることも堪えている。巴賞、函館記念とも最速上がりを繰り出したように復調してきたのは確か。次走は丹頂S(札幌芝2600m)に向かう予定。

スズカデヴィアスは後方からメンバー2位の34.3秒で追い込んで0.3秒差の5着。スタートが遅く、いつもより位置取りが悪くなったことが堪えた。調教の動き、気配が地味に映ったようにこの時期は調子が上がらないこともあるのだろう。これで7〜9月は[0−0−0−4]。次走は体調次第で札幌記念に向かうことになりそうだ。

トリコロールブルーは中団の後ろを進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー5位タイの34.7秒で上がり0.4秒差の6着。道中外から池添騎手のナイトオブナイツにマークされて外に出せず、それによって仕掛けが遅れ、直線で馬群に突っ込まざるをえなかった。1番人気に支持されたが、いい脚を長く使える持ち味を全く出せなかった。これで11年以降1番人気は[0−0−0−8]で不振が続いている。

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