札幌記念
レース回顧

サングレーザーは内枠スタートから中団の馬込みを進み、直線で狭いところを割ってメンバー4位の36.8秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは2分1秒1。マルターズアポジーが逃げて前半5F59.1秒(稍重)の速い流れ。後半5Fは62.0秒、3Fは37.6秒。速い流れで差し追い込み馬が上位を独占した。サングレーザーは距離に不安があったが、福永騎手がロスなく進め、直線で捌いて一瞬の切れ味を引き出した。トップギアに入るのが速い馬。馬自ら前を捕まえに行く意思が感じられた。消耗戦で勝ったことで距離にメドが立った。秋は天皇賞(秋)に向かうことになりそうだ。その後はマイルCSになりそうだが、天皇賞(秋)で勝ち負けするとジャパンCに向かう可能性もありそうだ。

マカヒキは後方2番手からメンバー2位の36.4秒で伸びてハナ差の2着。外から差し切る勢いで伸びてきたが、最後に少し甘くなった。昨年の京都記念でも同じように差し切る勢いで伸びて最後に勢いが衰えている。それでも休み明けでこれだけ走れれば、今後のメドは立った。長く休養したことでフランス遠征の疲れが取れたのだろう。今後は昨年と同じ毎日王冠、天皇賞(秋)、ジャパンCか。16年のダービー馬。完全復活を期待したい。

モズカッチャンは離れた最後方からメンバー最速の36.0秒で追い込んでハナ+頭差の3着。直線で馬群に突っ込んで捌きながら外に持ち出して伸びてきた。Mデムーロ騎手の技術力の高さを示す乗り方。昨年のマイルCSのペルシアンナイトも凄かったが、こんな騎乗ができる日本人騎手はいない。Mデムーロ、ルメール騎手はハイペースで前崩れになると分かっているかのような騎乗だった。情報力も凄いのか。モズカッチャンは牡馬相手でも通用することを示した。秋の最大目標はエリザベス女王杯になる模様。

マイスタイルは4番手から徐々に進出し、3コーナー手前でマルターズアポジーを交わして先頭に立ち、直線に向いたが、そこから伸び切れず1,1秒差の9着。上がりは38.7秒。結果的にハイペースで田中勝騎手が強気に乗り過ぎた。能力&地力はあるが、これだけ消耗戦になって後方の馬が突っ込むレースでは厳しかった。相馬眼的に馬は重賞を勝てるレベルに到達している。次走は未定だが、福島記念あたりで重賞制覇がありそうだ。

ミッキースワローは後方のまま見せ場なく1.7秒差の13着。直線で前が詰まってほとんど追えなかった。時計、上がりが掛かるタフな馬場も堪えたのだろう。中山芝2200mでセントライト記念1着、AJC杯2着がある馬。次にオールカマーが控えているため、仕上げが緩かった感もある。タフなレースになり、無理しなかった面もあるのではないか。調教で攻めてオールカマーに出走してきたら注目したい。

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