京成杯AH
レース回顧
ミッキーグローリーは中団の外から徐々に進出し、メンバー2位の33.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒4。ベステンダンクが逃げて前半5F58.1秒。途中からウインガニオンがハナを切ったことで差し馬向きの展開になった。土曜と同様に向こう正面が強い向かい風、最後の直線が追い風。ミッキーグローリーのルメール騎手は向こう正面で馬の後ろに入れて風を凌ぎ、最後の直線で外に出して今度は追い風に乗っていた。これで2日連続で重賞制覇。16年の皐月賞も強い風が吹いていたが、風をうまく利用したディーマジェスティが勝ち、2着に大外から追い込んだマカヒキが入っている。風が強い日はこのパターンに注意したい。ミッキーグローリーは昇級戦、重賞初挑戦、1番人気で重賞初制覇。いい脚を長く使え、他馬が苦しくなったところでひと脚使えるのが持ち味。相馬眼的に重賞を勝てる器とみていたが、さっそく重賞を制した。まだ馬体に緩い面があり、そこがパンとすればG1で勝ち負けできる馬になりそうだ。今後は未定だが、毎日王冠から天皇賞(秋)、または富士SからマイルCSあたりになりそうだ。
ワントゥワンは最後方からメンバー最速の33.0秒で追い込んで0.1秒差の2着。レースのラスト4Fは11.2−11.4−11.5−11.4秒の高速ラップ。このラップで最後方から0.1秒差の2着に追い込んだように究極の末脚を繰り出している。戸崎騎手が出遅れず、もう少し前につけていれば勝っていたかもしれない。前走関屋記念で54キロを背負ってプリモシーンにクビ差の2着に入った馬が1キロ減の53キロ。ハンデは恵まれていたが、直線で大外に出して風も生かしている。母ワンカラットは短距離馬だったが、ワントゥワンはマイルまでこなせる。重賞で3戦連続最速上がりを繰り出したように今充実期に入っている。ルメール騎手では[2−1−0−0]、Mデムーロ騎手では[2−1−0−1]。重賞激走の反動がなく、ルメール、Mデムーロ騎手を乗せてきたら要注意。
ロジクライは6番手の内からメンバー8位タイの34.1秒で最後に馬群を割って伸びて0.2秒差の3着。陣営が懸念した通り、浜中騎手が消極的な騎乗で前に行ってしぶとい脚を使える持ち味を生かせなかった。ただし流れを考えると強気に乗っていたら4着以下の可能性もあるか。勝ったミッキーグローリーより1.5キロ重い56.5キロを背負っていたことも考慮したい。パドックでは馬体のバランスが少し崩れていた。ハイペースで先行して2着に粘った中京記念の反動が少しあったのかもしれない。
ゴールドサーベラスは中団の後ろから早めに捲ってメンバー8位タイの34.1秒で上がり0.2秒差の5着。スクリーンヒーロー産駒でいい脚を長く使え、直線でバテずにひと脚使えるタイプ。柴山騎手は強気に早めに動いたが、結果的に少し仕掛けが速かった。こういう心肺機能が高くバテない馬は大穴をあけることが多い。激戦でバテ合いになりそうなレースで注意したい。
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