エリザベス女王杯
レース回顧
リスグラシューはスタートを決めて中団につけ、メンバー最速の33.8秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分13秒1。クロコスミアが逃げて前半5F61.4秒のスローペース。ラスト4Fからペースアップして12.0−11.6−11.4−11.7秒。クロコスミアがラスト3Fを11秒台でまとめて粘り込んだが、最後にリスグラシューが末脚の威力で捻じ伏せた。G1で2着が4回あった馬が、テン乗りのモレイラ騎手が騎乗し、ようやくG1初制覇。これまでは出遅れるなどして後方からいい脚を使っても届かないレースが多かったが、さすがにモレイラ騎手、スタートを決めて届く位置でピタリと折り合いをつけた。2歳時から使われているが、奥手のハーツクライ産駒。ここにきて馬体が充実し本格化した。次走は未定だが、香港ヴァーズか有馬記念になりそうだ。
クロコスミアは前半5F61.4秒のスローペースで逃げ、勝負どころで後続を引き離しメンバー8位タイの34.7秒でまとめてクビ差の2着。9番人気で激走した。昨年2着に粘ったときと同様に直線入り口で後続を引き離したが、最後にリスグラシューに捕まった。昨年差されたモズカッチャンには3馬身先着している。3、4コーナーの坂の下りで脚をタメながら走る馬が多い中、そこでスパートして後続を引き離し、ラスト3Fを11秒台でまとめたのだから大したもの。メンバー8位タイの上がり34.7秒は3着モズカッチャンと同じ。昨年は4着ヴィブロスと同じ上がりだった。直線でトップギアに入るとそれを持続するタイプ。モロさもあるが、ゾーンに入ると強い。西浦厩舎はカワカミプリンセスでエリザベス女王杯1位降着。エリザベス女王杯に特別な思いがあるのだろう。
モズカッチャンは5番手の内からメンバー8位タイの34.7秒で伸びて0.5秒差の3着。昨年と同様に直線でクロコスミアを交わせばというレースになったが、伸び切れなかった。一頓挫あった影響なのか馬体が6キロ増えて太め残りだった。昨年から2キロ増の56キロも微妙に影響したのではないか。日曜京都は外国人騎手が11勝。Mデムーロ騎手は1勝もできず乗り遅れている。好不調の波が大きい点を考慮したい。
レッドジェノヴァは内ラチ沿いの中団からメンバー5位タイの34.5秒で伸びて0.5秒差の4着。内で狭くなって追い出しが遅れ、直線で外に出せず狭い内を走って伸び切れなかった。それでもG1初挑戦で4着なら今後のメドは立った。牝馬でも長い距離が得意なタイプ。今後はひと息入れ、来年は重賞制覇を目指すことになりそうだ。
ノームコアは外枠スタートから好位につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の5着。スローペースでラスト3Fの上がり勝負になったが、外枠から終始外々を回ったことが堪えた。京都に輸送して馬体10キロ増。紫苑Sの後にひと息入れたが、少し緩い仕上げだった。小回りコースで立ち回りの上手さを生かすタイプ。中山、福島コースで見直したい。
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