福島記念
レース回顧

スティッフェリオは離れた3番手につけ、勝負どころで前との差を詰め、メンバー8位タイの35.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分58秒3。マルターズアポジーが逃げて前半5F57.6秒のハイペース。スティッフェリオは1枠2番から内ラチ沿いをロスなく回り、4コーナーから直線でスムーズに外に出して差し切った。大逃げする馬がいると離れた2、3番手につけた馬が勝つことが多いが、前の2頭が飛ばして理想的な展開になった。五稜郭Sでマイスタイルに3馬身差をつけられたが、ハイペースでマイスタイルの上がりが掛かり逆転できた。小回りコースならある程度速い流れで飛ばしてもしぶとい脚を使うタイプ。乗り慣れた丸山騎手が内枠を生かしてロスなく進め、持ち味を引き出している。今後はひと息入れて来年に備える予定。中山金杯、AJCCあたりで復帰になりそうだ。

マイスタイルは2番手からメンバー12位の36.5秒で粘って0.2秒差の2着。最後は内からエアアンセムに迫られたが、しぶとく伸びて抜かせなかった。前半5F57.6秒のハイペースで逃げたマルターズアポジーは直線で失速して8着に終わったことを考えるとかなり強いレースをしている。スティッフェリオが1枠でなければ、勝っていたのではないか。JRAが社台の馬を1枠に入れてきたときは要注意。ただし内が荒れた馬場で内枠に入れてくるときは捨て駒なので注意したい。マイスタイルは能力的にすぐに重賞を勝てそうだが、枠順、ハンデは恵まれそうにない。今後も芝2000m重賞を中心に使っていくことになりそうだ。

エアアンセムは内ラチ沿いの5番手からメンバー8位タイの35.9秒で伸びて0.2秒差の3着。最後はマイスタイルに迫ったが、最後は同じ脚色になって交わせなかった。1、2着馬より2キロ重い57キロを背負っており、実質は勝ちに等しい内容。7歳の高齢馬だが、近走は安定して走っている。今後はひと息入れて中山金杯、AJCCあたりで復帰することになりそうだ。

マルターズアポジーは前半5F57.6秒のハイペースで飛ばし、直線で一杯になって1.0秒差の7着。2番手から2着に粘ったマイスタイルより2.5キロ重い57.5キロを背負っていた。芝1800m[3−1−3−1]、芝2000m[3−0−0−9]でベストは芝1800m。小倉大賞典を勝ったように芝1800mならハイペースで飛ばしても踏ん張れるが、芝2000mで飛ばしては厳しかった。16年の福島記念を逃げ切っているが、前半5F61.0秒のスローペースだった。今後も速いペースで粘れるマイスタイルが目の上のたんこぶになりそうだ。

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