阪神JF
レース回顧

ダノンファンタジーは後方からメンバー2位の34.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分34秒1。ベルスールが逃げて前半3F34.8秒、5F59.1秒の平均ペース。これまでより後ろからのレースになったが、いい脚を長く使って差し切り3連勝でG1を制した。同コースの未勝利戦を勝ち、ファンタジーSで差すレースをして勝ち、阪神JFを勝つためのステップをきちんと踏んでいた。馬体の造り、調教の動きを見て相馬眼的に勝つ可能性が高いとみていたが、その通りの結果になった。緩い流れで決め手勝負になった場合のクロノジェネシス、中団より前からロスなく立ち回った場合のビーチサンバに逆転のチャンスがあるとみていたが、平均ペースで流れ、前者は後方、後者は中団からのレースになった。ダノンファンタジーは新馬戦でグランアレグリアに2馬身差で負けている。グランアレグリアが朝日杯FSに回ってくれたことは大きかった。Cデムーロ騎手は「来年の桜花賞もチャンスがある」とコメント。今後はチューリップ賞から桜花賞を目指すことになりそうだ。

クロノジェネシスは出遅れて後方2番手を進み、直線で外からメンバー最速の33.9秒で追い込んで0.1秒差の2着。勝ったダノンファンタジーと一緒に伸びてきたが、最後に振り切られた。これまで芝1800mのスローペースしか経験していなかった馬が、平均ペースで最速上がりを繰り出して2着を確保。結果的に出遅れてゆったり進められたことが良かったのかもしれないが、スタートを決めて中団につけていれば勝っていた可能性もある。ノームコアの半妹でバゴ産駒。これでデビューから3戦とも最速上がり。436キロの小柄な牝馬で瞬発力勝負に強いタイプ。速い上がりが問われる馬場では特に注意したい。

ビーチサンバは中団からメンバー4位の34.5秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で外から抜け出したが、外からきたダノンファンタジーとクロノジェネシスに一気に交わされた。ガツンと切れるタイプではないだけにもう少し前でロスなく立ち回りたかったが、6枠11番ではこれが精一杯か。まだ馬体に緩いところがあり華奢に映るが、母フサイチエアデール、全兄フサイチリシャールがいる良血馬で素質が高い。馬体に実が入って全体的にしっかりしてくれば桜花賞で激走があってもおかしくない。

シェーングランツは後方からメンバー3位の34.4秒で追い込んで0.3秒差の4着。直線でスペースがなく、外に出してながら追うロスがあった。1〜3着馬は13、9、11番枠。結果的に2枠4番がアダになった。もう少し早めに外に出していれば、馬券圏内があったのではないか。アルテミスSを勝っているが、距離は長い方が合いそう。半姉ソウルスターリングはオークス馬。距離を延ばすと真価を発揮するのではないか。

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