AJC杯
レース回顧

シャケトラは外枠スタートから4番手につけ、メンバー3位の34.2秒で抜け出し、最後はフィエールマンの追撃を振り切ってレースを制した。勝ちタイムは2分13秒7。ステイインシアトルが逃げて前半5F62.2秒のスローペース。後半5Fは58.7秒でラスト4Fは11.7−11.8−10.9−11.9秒の高速ラップ。菊花賞と同様にジェネラーレウーノが動かず、スローの上がり勝負になった。シャケトラは好位から抜け出す正攻法のレースで優勝。17年の有馬記念以来1年1ヶ月ぶりのレースで7番人気の低評価だったが、最終調教では久々を感じさせない動き、気配を見せていた。17年の日経賞を後方から捲ってメンバー最速の35.0秒で差し切ったレースがAJC杯にマッチするとみて穴馬で狙って正解だった。石橋脩騎手は先週日曜の芝2200mの1000万条件でチャロネグロに騎乗し、後方から捲ってセンテリュオ(ルメール)に負けたため、今回はルメール騎手より前につけて目一杯に追って粘らせた。フィエールマンにデビューから3戦騎乗していたため、勝つには前につける必要があるとみていたのではないか。陣営が戸崎騎手がインフルエンザで急遽石橋脩騎手を確保したことがズバリ嵌まった。以前から相馬眼的に注目してきた馬が長期休み明けを乗り越えて復活V。今後はドバイを含め、G1獲りを目指すことになりそうだ。角居調教師は復帰後初勝利が重賞制覇となった。中山に来ていたが、表彰式には出席していなかった。今更言うことでもないが、角居調教師の技術レベルは日本トップレベル。今後の活躍を期待したい。

フィエールマンは中団からメンバー最速の34.0秒で伸びて頭差の2着。直線で少しスムーズさを欠いたぶん届かなかったが、最後まで差を詰めて能力を示した。休み明けで少し腹目が細く映ったように万全の仕上がりではなかったのではないか。デビュー以来[3−2−0−0]で連対を確保しており、上がりは4戦連続でメンバー最速。相馬眼的に馬体がパンとして本格化すれば、まだまだ強くなる。菊花賞馬だけに天皇賞(春)を使うのかもしれないが、本質的には中距離が合っている可能性が高い。社台は有力馬が多いため、使い分けに苦慮しそうだ。予想はフィエールマン(穴馬)が勝った菊花賞で3連単10万馬券、今回AJC杯で3連単12万馬券を的中。こんなに馬券の相性がいい馬はいただろうか。

メートルダールは中団からメンバー2位の34.1秒で伸びて0.1秒差の3着。中山で乗れているマーフィー騎手が中団の外から持ってきた。中山で葉牡丹賞1着、京成杯3着があり、やはり右回りは問題なかった。ここにきて馬体が増えてパワーアップしたことで、今のタフな中山も合っていたのだろう。これで良馬場、56キロ以下、芝2000〜2200mでは[4−0−2−1]。激走の条件が揃い、社台がマーフィー騎手を乗せていたが、5番人気で馬券的に妙味があった。日経新春杯2着のルックトゥワイスと適性が被るため、条件が揃うと2頭でワンツーを決める可能性がある。

ジェネラーレウーノは2番手から伸び切れず0.4秒差の4着。スローでも動かず、ラスト4Fの上がり勝負になり切れ負け。ただし早めに動いていても速い上がりを繰り出せないだけにメンバーに恵まれないと勝つのは難しいのではないか。レース後に数日して右前浅屈腱炎が判明。今後は9ヶ月以上の休養を要する見込み。

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