愛知杯
レース回顧

ワンブレスアウェイは内枠から4番手につけ、メンバー4位タイの33.9秒で抜け出し、最後はノームコアの追撃を完封してレースを制した。勝ちタイムは2分00秒0。ランドネが逃げて前半5F62.2秒の超スローペース。ラスト5F57.8秒でラスト3Fは11.8−11.2−11.3秒の高速ラップ。ワンブレスアウェイは超スローペースで前が有利な展開になり、ノームコアがスタートで躓いて後方からのレースになったことがプラスに働き重賞初制覇を飾った。津村騎手がスタートを決めて好位置につけたことが大きかった。津村騎手は17年の愛知杯でサンソヴール(11人気)を2番手から2着に粘らせている。3走前のオクトーバーS(東京芝2000m)でマウントゴールドに0.2秒差の3着に入り、4着スティフェリオは次走福島記念を制した。今回は8番人気の低評価だったが、このあたりから激走する下地はあった。サンデーレーシングの6歳牝馬。今後は中山牝馬Sがラストランになりそうだ。

ノームコアはスタートで躓いた後に寄られて後方を進み、直線で大外からメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.1秒差の2着。トップハンデ55キロを背負い、外から最速上がりを繰り出して能力を示した。スタートがまともならあっさり勝っていたのではないか。牝馬限定G3で芝2000mまでなら一枚上の印象。外を回って追い込むレースをして最速上がりを繰り出したことで脚質の幅を広げている。2着に負けたが休み明けで能力の高さを示す上々の内容。今後は中山牝馬Sまたは福島牝馬Sを使ってヴィクトリアマイルを目指すことになりそうだ。ルメール騎手はどんなレースになっても瞬時に判断して対応してくる。技術レベルが秀でている。

ランドネは前半5F62.2秒のスローペースで逃げ、メンバー9位タイの34.4秒でまとめて0.1秒差の3着。超スローに落として上がり勝負に持ち込んだが、ラスト5Fは11.8−11.7−11.8−11.2−11.4秒で最後まで11秒台のラップで走っている。紫苑Sでも逃げて3着に粘ったが、前半5F60.1秒でラスト5Fは11.9−11.8−11.5−11.5−11.8秒。単純に展開に恵まれたからだけの3着ではない。角居厩舎の管理馬でパドックでは馬体の造りが目立っていた。次走中山牝馬S、福島牝馬Sに使ってきたら要注意。

コルコバードは中団からメンバー2位タイの33.8で伸びて0.2秒差の5着。直線で前にワンブレスアウェイ、外からウラヌスチャームにいて狭くなり、トップギアに入らなかった。それでもメンバー2位の上がりを繰り出し最後まで食い下がっている。ノームコアが出遅れず、早めに前を捕まえるレースになっていればもっとやれたのではないか。それでも重賞でやれるメドは立った。追ってバテないタイプ。もっと少し長い距離の方が持ち味を生かせる。

レッドジェノヴァは好位の内からメンバー8位の34.1秒で伸びて0.3秒差の6着。Mデムーロ騎手が1枠から好位につけたが、上がり勝負で伸び切れなかった。これまで33秒台で上がったのは1度しかなく上がり勝負は向かないタイプ。芝2000mではもっと流れが速くなってタフなレースになるか、重い馬場で時計が掛かるときに狙いたい。今後は日経賞に向かう可能性もあるが、小回りコースなら地力勝負で対応できるため、中山牝馬S、福島牝馬Sを使う手もありそうだ。

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