阪急杯
レース回顧

スマートオーディンはゆっくり出して最後方を進み、直線で大外からメンバー最速の33.4秒で豪快に差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分20秒3。ダイアナヘイローが逃げて前半3F34.4秒、5F57.0秒で稍重の阪神カップより少し速い流れ。スマートオーディンは最後方で折り合いをつけ、勝負どころで上がって前を射程圏に入れると3歳時を彷彿させる末脚で一気に差し切った。2位を0.7秒上回る末脚は強烈でインパクトがあった。池江厩舎に転厩して距離を短くし5戦目で復活V。16年5月の京都新聞杯以来2年9ヶ月ぶりの勝利となった。父ダノンシャンティは1分31秒4のレコードでNHKマイルCを制した馬。春の目標は安田記念になりそうだ。極端なレースをした方が持ち味を生かせるタイプ。今後も折り合いをつけて末脚勝負になる。

レッツゴードンキは1枠1番から内ラチ沿いの3、4番手につけ、メンバー7位の34.6秒で抜け出したが、外からスマートオーディンに差されて0.2秒差の2着。内から捌くのが上手い岩田騎手が1枠1番を生かして上手く乗ったが、スマートオーディンの末脚が強烈過ぎた。休み明け、馬体4キロ増で連対を確保したように次走に向けて上々の内容。ただしG1実績馬が54キロというのはいかにも有利だった。次走は2年連続2着の高松宮記念。7歳牝馬に更なるパフォーマンスアップを望むのは酷だが、現時点で大きな衰えはない。スプリントG1で8番枠より内なら[0−3−0−0]だが、10番より外では[0−0−0−4]。枠順に注意。

ロジクライは7番手の内からメンバー5位タイの34.5秒で伸びて0.4秒差の3着。本来はもっと前につけられる馬だが、スタートで挟まれて位置取りが悪くなったことが堪えた。直線では前が壁になって追い出しが遅れ、外に切り替えるロスがあり脚を余している。こういう不利があった馬は次走激走することが多いので注意したい。今後は未定だが、マイラーズCから安田記念を目指すことになりそうだ。

エントシャイデンは後方からメンバー2位の34.1秒で追い込んで0.5秒差の5着。直線で前が壁になり外に持ち出す致命的なロスがあった。ラストの伸びを見る限り、もう少しまともなら連対できたのではないか。ここにきて心肺機能が強化され、相馬眼的に同厩のモズアスコットのレベルに近づいている。こういう心肺機能が高く末脚に持続力のある馬はタフなレースになるG1で激走することが多い。賞金的に安田記念は間に合いそうにないが、秋のマイルCSに向けて注目していきたい。

ミスターメロディは5番手からメンバー9位タイの34.8秒で伸びて0.5秒差の7着。2戦連続で逃げたダイアナヘイローを交わせなかった。福永騎手は直線で内からタイムトリップに接触したことが影響したとコメントしている。好位につけて立ち回りの上手さで粘り込むタイプだが、末脚の威力が少し足りない。芝で勝ち切れないレースが続くとダートに戻すかもしれない。昨年以降の重賞で福永騎手は1番人気では[1−0−1−4]で勝率16.7%。勝ったインディチャンプ(東京新聞杯)はG1を狙える馬。

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