スプリングS
レース回顧

エメラルファイトは7番手を進み、メンバー3位タイの34.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分47秒8。クリノガウディーが逃げて前半5F60.0秒。後半5Fは59.9秒でラップは12.1−12.0−11.6−12.1秒。前日のフラワーCより前半5Fが0.5秒速かったが、勝ちタイムは0.4秒遅い。前評判通りメンバーレベルが低かったか。エメラルファイトは好位置につけて石川騎手が外から持ってきた。札幌2歳S、朝日杯FSでタフなレースしてきたように今回のメンバーでは経験値が上だったか。芝1800mでは4、3着に終わっていたが、G2を勝って一気にパフォーマンスを引き上げた。次走は皐月賞。体型的に距離1F延長はプラスではないが、皐月賞はマイラーが激走することもある。

ファンタジストは1枠1番スタートから中団につけ、直線で外からメンバー最速の34.6秒で伸びて頭差の2着。先に抜け出したエメラルファイトを交わせなかったが、距離1800mを克服し1番人気で連対を確保した。早めに外に出して外を回ってメンバー最速上がりを繰り出したように距離にメドを立てた。エメラルファイトと同様に重賞でタフなレースを経験してきたことが生きたのではないか。次走は皐月賞になるが、体型的に更なる距離1F延長はプラスではない。皐月賞で結果が出ないとNHKマイルCに向かう手か。09年以降の重賞で武豊騎手は3番人気以内が1枠1番なら[8−6−2−7]で連対率60.9%。JRAが1枠に入れてきたら注意したい。

ディキシーナイトは好位から早めに動いてメンバー7位の35.3秒でしぶとく伸びて頭+クビ差の3着。ダイワメジャー産駒である程度前につけてしぶとい脚を使えるタイプ。石橋脩騎手は早めに動いて目一杯に追って持ってきた。520キロを超える大型馬で馬体に緩さがあるが、レースを使いながら少しずつ仕上げが進んでいる。次走は皐月賞。中山芝2000mの未勝利戦を勝っているが、高速決着に対応できるかがカギ。

タガノディアマンテは後方からメンバー2位の34.7秒で外から伸びて0.2秒差の4着。最後に外から伸びてきたが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。田辺騎手は差し追い込み馬に騎乗すると下げ過ぎる傾向がある。きさらぎ賞で最後方から2着に追い込んだ馬。時計を詰めて少しパフォーマンスを引き上げた。

ヒシイグアスは2番手から伸び切れず0.2秒差の5着。上がりはメンバー10位タイの35.8秒。道中外からずっとカラテにマークされたこともあり伸び切れなかった。馬体が16キロ減って少し腹目が細くなっていたことも微妙に影響したのではないか。タメれば切れる脚を使える可能性がある。今後は控えるレースを試してみても面白そうだ。

ロジャーバローズは6番手からメンバー8位タイの35.4秒で伸びて0.4秒差の7着。直線で馬場の荒れた内を通り、少し狭くなったこともあり伸び切れなかった。川田騎手は「ずっと競馬に向かえる精神状態ではなかった」とコメントしている。角居厩舎のディープインパクト産駒で走る雰囲気を持った馬。小回りの芝1800mよりもっと長い距離の方が合いそうだ。

ニシノカツナリは最後方から大外を回ってメンバー3位タイの34.9秒で追い込んで0.7秒差の10着。外から伸びているが、最後方から大外ブン回しでは届かなくて当たり前。まだ粗削りでレースが下手だが、追って味のあるタイプで能力はありそう。混戦レースで大外一気を決めそうなタイプ。まだ1勝馬だが、どこかで大波乱を演出する可能性があるため注意したい。

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