高松宮記念
レース回顧
ミスターメロディは内枠スタートから好位の内につけ、メンバー4位の33.6秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分7秒3。モズスーパーフレアが逃げて前半3F33.2秒。Bコースに変更され、かつ馬場が乾いたことで高速決着になった。1〜3着馬は3、4、7番枠の内枠から内をロスなく回ってきた馬。先週までは外差しが決まる馬場だったが、Bコース変更、馬場が乾いたことで内が有利な馬場になった。ミスターメロディは初の芝1200mだったが、好位から抜け出す正攻法のレースでG1初制覇。内が有利な馬場で内枠から好位の内をロスなく回ってきたことが有利に働いたが、スケートのパシュートの原理で勝負どころでの強い向かい風をうまく味方につけることができたのではないか。能力が抜けた存在ではなく、そのあたりが上手く噛み合っての勝利。勝った福永騎手と幸騎手は16年以降の中京芝1200mで1、2位の好成績。コースを知り尽くしている面もあるのだろう。これで左回りは[4−1−0−2](ダート含む)、休み明けを除き1400m以下なら[4−1−0−0]。スキャットダディの後継種牡馬としての役割がある馬。今後は短距離路線を大事に使って種牡馬入りすることになりそうだ。
セイウンコウセイは内枠スタートから3番手につけ、メンバー7位タイの33.9秒でまとめて0.1秒差の2着。直線で先頭に立ったが、ミスターメロディに内から交わされた。ミスターメロディと同様に内が有利な馬場、強風を味方につけている。好スタートを切った後に外からモズスーパーフレアが先頭に立つまで馬なりで脚をタメられたことも良かったのだろう。1〜3月は[3−4−1−2]、3月は[2−1−0−1]でこの時期走るタイプ。前3走は12、14、15着に惨敗し12番人気だったが、17年の高松宮記念勝ち馬が地力を示した。
ショウナンアンセムは後方の内からメンバー2位の33.4秒で最内から追い込んで0.1秒差の3着。直線で前が壁になって追い出しを待たされたが、最内に突っ込んで伸びてきた。前走初の芝1200mのオーシャンSで1.0秒の5着に入った馬がG1で0.1秒差の3着。スプリント路線はレベルが低く、大きな能力差がないことを示している。左回りの芝1400mは[3−2−0−5]でパラダイスS(OP)1着、ハイペースで前崩れになったフリーウェイS2着(1200m通過1分8秒7)があった。連対した2頭と同様に内が有利な馬場、強風も味方につけている。
ダノンスマッシュは外枠スタートから好位につけ、メンバー9位の34.0秒で上がって0.2秒差の4着。北村友騎手が内が有利な馬場を考慮して3コーナーで内に入れたが、それによってアレスバローズ(川田騎手)、ナックビーナス(大野騎手)が大きな不利を受け、さらにその2頭の後ろにいたロジクライ(ルメール騎手)も大きな不利を受けた。北村友騎手には過怠金10万円が課せられている。3コーナーで内に入れたが、4コーナーから直線でラブカンプーが外に張り出してきたことで外を回されたこともあり伸び切れなかった。まだ4歳馬で馬体の線が細く、少し体力不足の印象を受けた。今後は放牧に出され、秋のスプリンターズSを目標にキーランドC、セントウルSあたりで復帰することになりそうだ。
ティーハーフは中団の後ろからメンバー5位タイの33.7秒で伸びて0.3秒差の5着。これで高松宮記念では6、4、5着。馬券圏内には入れなかったが、9歳馬がまだやれることを示した。前走シルクロードSで大外18番枠から大外をブン回してダノンスマッシュの上がりを0.5秒上回ったのはダテではない。展開、馬場など条件が揃えば、どこかで一発ありそうだ。
レッツゴードンキは後方からメンバー最速の33.3秒で追い込んで0.3秒差の6着。直線で狭くなってブレーキをかける大きなロスがあった。最後は鋭く伸びてきただけにスムーズなら馬券圏内があったかもしれない。最速上がりを繰り出したように7歳牝馬でも衰えはなさそうだが、少しトモが薄くなり馬体の造りはピークを過ぎていている。
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