ダービー卿CT
レース回顧

フィアーノロマーノは内枠スタートから3、4番手につけ、直線で早めに抜け出しメンバー10位の34.8秒で後続を完封しレースを制した。勝ちタイムは1分31秒7。フィアーノロマーノはハイペースで先行して抜け出す正攻法のレースで一気にパフォーマンスを引き上げ、重賞初制覇を飾った。これまで速い持ちタイムがなかった馬が1分31秒7で走ったのだから大したもの。パドックでは雄大な馬体がひと際目立っていた。昇級戦でハンデは55キロだったが、5歳になって本格化したのではないか。これで馬主の吉田和美氏は15年以降のダービー卿CTで[2−2−0−1]で3年連続連対となった。前2年はキャンベルジュニアが5番枠、3番枠に入り、今回はフィアーノロマーノが2番枠。JRAが有利な内枠に入れてアシストしている。今後は未定だが、京王杯SCから安田記念を目指すことになりそうだ。

プリモシーンは中団からメンバー4位の34.0秒で外から伸びてクビ差の2着。勝ったフィアーノロマーノの上がりを0.8秒上回ったが、位置取りの差で届かなかった。ハンデは同斤の55キロ。プリモシーンは牝馬だけに実質は57キロということを考えると勝ちに等しい内容。昨年51キロで出走した関屋記念を1分31秒6で勝ったが、今回は55キロを背負って1分31秒7で走りパフォーマンスを引き上げた。55キロを背負って初めて連対したことは今後に向けて大きい。不利を受けることが多い馬だが、今回はテン乗りの福永騎手が上手く乗っている。次走はヴィクトリアマイルに向かう予定。メンバー次第で勝ち負けできそうだ。

マイスタイルは6、7番手からメンバー9位の34.5秒で伸びてクビ+ハナ差の3着。外から来たプリモシーンと一緒に伸びてきた。少し渋った時計の掛かる馬場が得意な馬だが、1分31秒7で走ったことで適性の幅を広げている。これで芝1600mでは[1−1−2−1]。京都金杯でパクスアメリカーナに0.1秒差の2着に入ったのはダテではないことを示した。昆厩舎の管理馬は鍛え上げられており、追ってしぶとい脚を使う馬が多い。距離は2000mまでは守備範囲。どこかでG3を勝つチャンスがありそうだ。

ダイアトニックは出遅れて後方を進み、メンバー最速の33.4秒で追い込んで0.2秒差の4着。道中内めをロスなく進み、直線で馬群を捌いて鋭く伸びてきたが、ハイペースでも中団より前につけた馬が上位に来る高速決着で届かなかった。それでも最速上がりを繰り出して1分31秒9で走ったように力をつけている。芝1600mもこなせるが、ベストは[3−1−0−0]の芝1400m。次走は京王杯SCになりそうだ。

ギベオンは内枠スタートから好位につけたが、直線で伸び切れず0.3秒差の5着。上がりはメンバー12位の35.0秒。直線でマイスタイル、プリモシーンとの叩き合いにあっさり負けたのは、トップハンデ57.5キロを背負っていたこともあるのだろう。NHKマイルCで2着がありマイルもこなすタイプだが、ベストは芝1800〜2000mか。これまで外国人騎手では[3−2−0−0]、日本人騎手では[0−0−0−3]。藤原英調教師が外国人騎手を乗せてきたら注意したい。

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