ＮＨＫマイルＣ
レース回顧
アドマイヤマーズは外枠スタートから７番手の外につけ、メンバー４位の３３．９秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは１分３２秒４。イベリスが逃げて前半３Ｆ３３．９秒、５Ｆ５７．８秒の速い流れ。クリノガウディー、プールヴィルと競り合って流れが速くなった。アドマイヤマーズは外が伸びる馬場、前日のひょうで緩い馬場、速い流れで地力勝負になり、持ち前の体力をフルに発揮。グランアレグリアが出遅れて位置取りが悪くなったことで早めに動いて負かしに行く必要がなくなったことも結果的に有利に働いている。これで芝１６００ｍは５戦５勝でＧ１を２勝。Ｍデムーロ騎手は今年のＧ１初制覇となった。共同通信杯でアドマイヤマーズを子供扱いしたダノンキングリーは相当な能力があることを付け加えておく。今後はひと息入れて秋に備える予定。香港マイルでビューティージェネレーションとの対決が実現するのか楽しみだ。
ケイデンスコールは後方で脚をタメ、大外からメンバー最速の３３．６秒で追い込んで０．１秒差の２着。休み明けの朝日杯ＦＳは１３着、毎日杯は４着に終わったが、これで左回りのマイルは［２−２−０−０］で上がりは全てメンバー最速。中京芝１６００ｍの新馬戦でアドマイヤマーズにハナ差の２着に入った馬。速い流れ、外差しが決まりやすい馬場、得意の左回りで走りが一変した。最近の重賞で活躍が目立つ前走４着馬がワンツーを決めた。この傾向に注意したい。ノーザンファームしがらきで乗り込まれた馬が１〜３着を独占。ケイデンスコールは２戦連続でノーザンファームしがらきで仕上げられている。昨年から重賞はノーザンファーム天栄、ノーザンファームしがらきで乗り込んだ馬が大活躍。この傾向は当分続きそうだ。今年の重賞で石橋脩騎手はサンデーレーシングの馬に騎乗すると［０−４−０−４］で１、６、６、１４番人気で連対。人気薄でも要注意。
カテドラルは後方から馬群を割ってメンバー２位タイの３３．７秒で伸びて０．１秒差の３着。２着とはハナ差。直線で内から捌いて抜け出したように強いレースをしているが、外が伸びる馬場でケイデンスコールに最後に交わされた。東スポ杯２歳Ｓは先行して直線で失速し１１着に終わった馬が、マイルで後方でタメるレースをしてアーリントンＣ２着、ＮＨＫマイルＣ３着とレースぶりが一変。やはり前走アーリントンＣで見せた末脚はダテではなかった。ここにきて馬体の造りが良くなっている。レースを覚えてもっと上手く立ち回れるようになるとアドマイヤマーズを子供扱いする可能性がある。
グランアレグリアはスタートが遅く、ルメール騎手が押して上がって行くと道中は掛かり気味。直線で前が詰まって外に出すと寄れてダノンチェイサーに接触。最後はメンバー７位タイの３４．３秒でしぶとく伸びてきたが０．３秒差の４着に終わった。ダノンチェイサーへの走行妨害で５着に降着。桜花賞をレコード勝ちし、単勝１．５倍の断然人気に支持されたが、スタート、折り合い、進路取りと全てが上手くいかなかった。勝負どころで外からワイドファラオ（内田博騎手）にプレッシャーをかけられたことも影響している。クラシックで社台の断然人気馬にプレッシャーをかける騎手はいないが、ＮＨＫマイルＣは違う位置づけなのだろう。朝日杯ＦＳでは外から被せられて馬が怯んだように気の小さい面がある。自分のレースができないとモロいタイプ。最終調教の動き、気配は良かったが、パドックでは気配が落ちていた。前日の雷とひょう、府中市大國魂神社のくらやみ祭の太鼓の音などが精神面に影響した可能性がある。
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