エプソムC
レース回顧
レイエンダは2番手からメンバー最速タイの32.7秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分49秒1(稍重)。サラキアが逃げて前半3F38.4秒、5F63.9秒の超スローペース。レースの上がりは32.9秒、ラップは11.0−10.8−11.1秒。超スローの上がり勝負で完全前残りになった。レイエンダは前2走後方から追い込むレースになったが、今回はルメール騎手がスタートを決めて2番手につけたことが大きかった。東京新聞杯では最後方からメンバー最速の32.8秒で上がって0.6秒差の8着に追い上げたが、そのときの前半5F通過は59.1秒。今回は東京新聞杯より4.9秒遅い64.0秒だった。ルメール騎手が心配していたとコメントしたように道悪はプラスではないが、今の東京は馬場が渋っても時計、上がりがそれほど遅くならないことも良かったのだろう。出遅れ癖のある社台のサラキアがハナを切り、追い込むレースをしていた社台のレイエンダが2番手で超スローペース。重賞でJRAから不利な枠に入れられているダノンのダノンキングダムが外から行きかけたが、三浦騎手は社台の2頭が前にいるのを見て超スローペースでも控えるレースをしている。レイエンダは速い上がりを繰り出せるタイプ。近年の重賞はスローペースになることが多いだけにまた持ち味を生かせるときがありそうだ。今後は休養して毎日王冠から天皇賞(秋)を目指すことになりそうだ。
サラキアはハナを切ってメンバー4位タイの33.0秒で上がって0.1秒差の2着。ほとんどのレースで出遅れていた馬がスタートを決めてハナを切り、超スローに落して粘り込んだ。直線ではすぐに逆手前に替えたが、末脚に持続力があり、最後までバテずに走っている。雨で馬場が悪化しなかったこともプラスに働いた。これで芝1700〜1800mは[1−3−0−0]。芝1800m前後で末脚の持続力を生かすレースが合っている。スタートを決めて前につけられたことは今後につながる。今後はクイーンSから府中牝馬Sに向かうことになりそうだ。今年の重賞で丸山騎手は社台の馬に騎乗すると[3−1−1−5]で3勝。ちなみに関東リーディングの戸崎騎手は社台の馬に騎乗すると[1−2−1−5]で1勝。社台は丸山騎手に走る馬を乗せている。
ソーグリッタリングは5番手からメンバー3位の32.8秒で伸びて0.3秒差の3着。直線でサラキアとレイエンダの後ろにいたため、外に持ち出すロスがあった。超スローの上がり勝負で前の2頭はスムーズなレースをしてレースの上がりが32.9秒。この上がりでロスがあっては厳しかった。勝ち馬より1キロ、2着馬より3キロ重い57キロを背負っていたことも堪えたか。それでも重賞で通用するメドは立った。欲を言えばもうワンパンチ欲しいが、立ち回りの上手さを生かせれば、どこかで重賞制覇がありそうだ。
プロディガルサンは中団から内を突いてメンバー6位タイの33.1秒で伸びて0.6秒差の6着。逃げたサラキアの上がり33.0秒を上回れなかったが、レーン騎手が荒れた内を突き、直線半ばまで追い出しを待ったことが影響したのではないか。17年の東京新聞杯は良馬場だったが、32.0秒で上がって2着に入っている。最終調教では精神面が成長してきた印象を受けた。中京記念、関屋記念、京成杯AHのどこかで馬券圏内がありそうだ。
アンノートルは6番手からメンバー6位タイの33.1秒で上がって0.7秒差の7着。緩い馬場で前走より0.1秒速い上がりを繰り出したが、超スローペースで前に行った馬が32秒台で上がる展開では厳しかった。田中博厩舎に転厩して馬体が30キロ増え、雄大な馬体が目立つようになってきている。相馬眼的にパワーと瞬発力を兼ね備えた馬。条件が揃えば、どこかの重賞で激走がありそうだ。
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