ラジオNIKKEI賞
レース回顧
ブレイキングドーンは後方から外を回って進出し、メンバー2位の35.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分49秒8(不良)。ダディーズマインドが逃げて前半5F61.0秒。後半5Fは61.3秒でラスト3Fは12.4−11.9−12.2秒。道中ラップが落ちず、不良馬場で道悪の巧拙と末脚の持続力が問われるレースになった。ブレイキングドーンは外を回っていい脚を長く使って差し切る強い内容で重賞初制覇。道悪巧者のヴィクトワールピサ産駒で不良馬場がプラスに働いている。相馬眼的に以前から重賞で勝ち負けできる馬と言い続けてきた馬。予想時点では8番人気で穴馬で狙ったが、最終的には3番人気になった。ずっと馬体が太い状態で走っており、馬体が絞れれば一変するとみていたが、2戦連続で馬体が減ってレースぶりが一変した。今年の重賞で3着以内がなかった福島出身の田辺騎手はようやく重賞制覇。京都2歳S2着、弥生賞3着がある馬がハンデ55キロ。予想に書いた通り、JRAからの田辺騎手への助け舟だったのではないか。勝って賞金を加算できたため、秋は菊花賞を目指すことになりそうだ。中竹調教師は史上6人目、現役5人目の全10場重賞制覇となった。
マイネルサーパスは1枠2番からスタートを決めて内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー5位タイの36.3秒でしぶとく伸びて0.1秒差の2着。同コースのきんもくせい特別を大外一気で1分46秒2のレコードで勝った馬が9番人気で激走した。柴田大騎手が不良馬場で内をロスなく回って好位につけ、持ち前のしぶとさを引き出した。これで芝1800mは[2−1−1−0]で3着以内を確保。近走不振が続いていたが、きんもくせい特別でダノンチェイサー(きさらぎ賞)に勝ったのはやはりダテではなかった。柴田大騎手は道悪は得意でないとコメント。開幕週のいい馬場で内をロスなく回ったことで得意ではない道悪を相殺できたのではないか。今後出走できる小回りの芝1800m重賞は小倉大賞典、中山記念しかない。そのため今後は距離を1F延ばすことになりそうだ。昨年以降の重賞で高木厩舎は5番人気以内[0−0−1−6]、6〜9番人気[3−1−1−6]、10番人気以下[0−0−0−17]。6〜9番人気になったときは要注意。
ゴータイミングは出遅れて最後方を進み、メンバー最速の35.6秒で大外から追い込んで0.3秒差の3着。武豊騎手が終い勝負に徹して最後に外から突っ込んできた。重馬場の新馬戦でサトノルークス(すみれS)に勝ったように道悪をこなすタイプ。小柄な馬だけに前走から3キロ減の53キロも良かったのだろう。最後の脚色を見る限り、出遅れずに流れに乗れればもう少しやれたのではないか。
アドマイヤスコールは大外枠から最内に入れて徐々に進出し、メンバー4位の36.2秒で上がって0.3秒差の5着。横山典騎手が内をロスなく回っていい脚を長く使ったが、直線で少し狭くなったことが堪えた。手応えが悪くなっても追えば最後までしぶとく伸びるタイプ。横山典騎手が大外枠から最内に入れたが、末脚に持続力があるだけにブレイキングドーンのように外を回る手もあったか。心肺機能の高い馬。こういう馬はタフなレースになると激走するので注意したい。
ヒシイグアスは6番手から徐々に後退し4コーナー最後方。そこからしぶとく伸びて1.2秒差の9着。上がりはメンバー8位の36.7秒。Mデムーロ騎手は今日のような馬場は合わないとコメント。休み明けで緩い仕上げだったことも考慮しておきたい。前走スプリングSの回顧でも書いたが、良馬場で差すレースをすると変わる可能性がある。
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