プロキオンS
レース回顧

アルクトスは好位から徐々に内に入れて内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー8位の36.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分21秒2(稍重)。マテラスカイが逃げて前半3F33.3秒のハイペース。ある程度前につけて直線でひと脚使った2連勝中の上がり馬3頭が1〜3着を独占。アルクトスは直線で前が詰まって捌きにくかったが、そこで脚がたまり、最後にひと伸びして差し切った。速い持ちタイムがなかった馬が高速決着に対応し、パフォーマンスを引き上げて重賞初制覇。かなり地力が強化されている。田辺騎手は先週のラジオNIKKEI賞をブレイキングドーンで勝っており重賞2連勝。今年の重賞で3着以内がなく大不振が続いていたが、これで完全に吹っ切れたか。アルクトスは左回りのダ1600m以下では[6−1−0−0]。今後はひと息入れて武蔵野Sで復帰することになりそうだ。

ミッキーワイルドは7番手からメンバー3位の36.2秒で内から捌いて抜け出したが、アルクトスとの叩き合いに負けて0.1秒差の2着。速い持ちタイムがなかったが、ロードカナロア産駒の4歳馬が高速決着に対応してパフォーマンスを引き上げた。ここにきて馬体がボリュームアップして充実してきている。これがロードカナロア産駒の成長力か。かなり使い込んだため、今後はひと息入れることになりそうだ。

ヴェンジェンスは3番手から伸び切れず0.4秒差の3着。上がりは10位タイの37.1秒。3枠4番に入ったが、道中外を回って早めに動いて勝ちに行き、そのぶん伸び切れなかった。1、2着馬は道中内をロスなく回って脚をタメている。それでも1分21秒6で走っており、OP特別で2連勝した力を示した。調教の動きは地味だが、心肺機能が高くタフなレースに強いタイプ。脚抜きのいい馬場も合っている。

サンライズノヴァは後方からメンバー最速の35.4秒で大外から伸びて0.4秒差の4着。外から一頭だけ強烈な末脚で伸びてきたが、前に追いつくところまで行かなかった。前残り傾向が強い馬場で好位につけた馬に36秒台で上がられる展開では厳しかった。5歳になっても終い一辺倒から脱却できず、追い込んで届かないレースが続いている。

マテラスカイはハナを切って前半3F33.3秒で飛ばしたが、ラスト1Fで一杯になって0.6秒差の5着。上がりは13位の37.5秒。昨年は不良馬場で前半3F33.5秒で飛ばし、上がりを35.6秒でまとめてレコード勝ちしたが、今年は馬場が乾いて稍重まで回復したことがマイナスに働いた。ドバイ遠征明けでパドックでは気配がひと息だったこともあるのだろう。

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