函館2歳S
レース回顧
ビアンフェは内ラチ沿いから上がって前半3F33.6秒でハナを切り、メンバー5位の35.6秒で後続を引き離しレースを制した。勝ちタイムは1分9秒2。スタートは遅かったが、1枠1番が功を奏し、すぐに内から上がってハナを切ることができた。ラスト3Fは11.5−11.7−12.4秒とラップが落ちたが、直線は強い向かい風で差してくる馬がいなかった。近親のダコールに似た馬で追ってしぶとい脚を使うタイプ。藤岡佑騎手がハナを切って積極的なレースをして上手く持ち味を引き出した。半姉ブランボヌールは15年の函館2歳Sを制しており、きょうだい制覇となった。中竹厩舎は函館2歳Sをブランボヌール、アスターペガサスに続き3勝目。キズナ産駒はJRA重賞初制覇となった。デビューから3戦したため、今後はひと息入れて京王杯SCあたりから朝日杯FSを目指すことになりそうだ。
タイセイビジョンは出遅れて後方を進み、直線で内から捌いてメンバー最速の34.7秒で上がって0.3秒差の2着。道中はかなり厳しい位置にいたが、ルメール騎手が内から上手く捌いて持ってきた。勝負どころで外を回していたら着外に終わっていたのではないか。さすがにルメール騎手、フォローも上手い。現時点では芝1200mより芝1400mの方が合っている。ただし中央場所で速い上がりに対応できるかが課題。重賞2着で賞金を加算できたため、朝日杯FSに向けて大事に使っていくことになりそうだ。
プリンスリターンはスタートを決めて好位の馬込みを進み、メンバー6位の35.8秒で上がって0.5秒差の3着。函館芝1200mの新馬戦の勝ちタイムが遅かった馬が11番人気で穴をあけた。人気のパフェムリが直線でスムーズさを欠き、レッドヴェイパーが出遅れて後方からのレースになったことも有利に働いた。2頭がまともなレースをしていれば、馬券圏内に入れたかどうかは微妙なところ。原田騎手がスタートを決めて好位につけ、直線で自分のスペースを確保してしぶとさを引き出したことが大きかった。
パフェムリは7番手からメンバー3位タイの35.5秒で伸びて0.4秒差の4着。直線で前が壁になってブレーキをかけ、内に切れ込む大きなロスがあった。そこがスムーズなら3着があったかもしれない。新馬戦と同様に前半ズブく押しながらの追走だったことも影響したのだろう。道中の追走を考えると距離はもっと長い方が合いそうだが、それほど切れる脚がないため、中央場所で上がり勝負になると切れ負けする懸念がある。そのあたりをクリアできるかが今後の課題になる。
レッドヴェイパーは出遅れて後方を進み、メンバー2位の35.3秒で伸びて0.7秒差の5着。出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。揉まれたことが良くなかったのか、直線では内にモタれて走っていた。禁止薬物で除外され、連闘で新馬戦を使ったことが微妙に影響したのかもしれない。小柄な牝馬で2歳戦向きに映るが、祖母がハッピートレイルズで近親にシンコウラブリイ、ハッピーパス、チェッキーノ、コディーノがいる。馬体が成長するのかを見極めながら芝1200m、芝1400mを使って行くことになりそうだ。
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