エルムS
レース回顧

モズアトラクションは後方から内をロスなく回って徐々に押し上げ、メンバー最速タイの36.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分41秒9(稍重)。ドリームキラリが逃げてリアンヴェリテが競りかけ、前半5F58.5秒のハイペースで前崩れの展開になった。モズアトラクションは藤岡康騎手が内をロスなく回って進出し、直線で外に持ち出す理想的なレースで快勝。前走マリーンSは逃げたリアンヴェリテを捕まえられずクビ差の2着に終わったが、今回はそのときより前半5Fで1.4秒速い流れで展開がかなり味方している。平安Sでチュウワウィザード(次走帝王賞2着)にハナ差の2着に入った馬が重賞初制覇。これで4戦連続で最速上がり。ここにきて末脚の威力が増している。次走はシリウスSに向かう予定。

ハイランドピークは中団を進み、向こう正面で内に入れてロスなく回って押し上げ、メンバー4位の36.6秒で伸びて0.3秒差の2着。主戦の横山和騎手に戻っていつもとは違う差すレースで激走した。勝ったモズアトラクションと同様に内をロスなく回ってきたことが大きかった。これでダ1700mは[2−2−0−1]。エルムSはローマンレジェンド、クリノスターオー、オーロマイスター、エーシンモアオバーなどリピーターが強いレース。近走不振が続いていたが、昨年のエルムS勝ち馬が10番人気の低評価を覆し得意コースで激走した。最終調教で動きが良くなっていたようにデキも上向いていたのだろう。

サトノティターンは後方から大外を回ってメンバー最速のタイの36.0秒で追い込んで0.5秒差の3着。マーチSと同様に大外から強烈な末脚を繰り出したが、位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。成績にムラがあるが、大型馬でも休み明けの方が走るタイプ。連対した2頭は内をロスなく回ったが、サトノティターンは外々を回ってきた。勝ち馬との0.5秒差はその差もあるのだろう。6歳馬でもまだ本格化していない。相馬眼的に馬体がパンとして本格化すれば、G1でやれる馬になる可能性がある。

レッドアトゥは中団の外からメンバー3位の36.5秒で伸びて0.5秒差の4着。メンバー唯一の牝馬が休み明け、昇級戦、重賞初挑戦で4着なら上々といえる。カジノドライヴ産駒で末脚がしっかりした馬。今後は地方交流の牝馬限定重賞で活躍できそうだ。

リアンヴェリテは2番手からドリームキラリを交わして先頭に立ったが、最後に力尽きて0.5秒差の5着。前半5F58.5秒のハイペースで1分42秒4で走って5着に粘ったことを評価したい。かなり強いレースをしている。心肺機能が高く、簡単にはバテにないタイプ。中央場所のダ1800mでも注意したい。

タイムフライヤーは4番手から徐々に上がって直線でリアンヴェリテに並びかけたが、そこで一杯になって0.5秒差の5着。ハイペースで早めに動いただけに最後に止まったのは仕方ないか。初ダートで見せ場を作り、ダート適性を示した。芝1800mを使って欲しい感もあるが、今後はダートを使っていくことになりそうだ。

グリムは中団の外から全く伸びずに1.1秒差の7着。勝負どころで反応が悪く、直線でも全く見せ場がなかった。前半5F59.4秒(重)と流れたユニコーンSでも9着に終わっているように速い流れが合わないのではないか。今後は地方交流重賞を中心にダ1800m以上の長い距離を使っていくことになりそうだ。

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