秋華賞
レース回顧
クロノジェネシスは内めの6番手を進み、直線で外に出してメンバー2位タイの36.1秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分59秒9(稍重)。ビーチサンバが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。後半5F61.6秒で全て12秒台。上がりの掛かる消耗戦になった。クロノジェネシスは好位の内で流れに乗り、直線で外に出して抜け出す理想的なレースで快勝。阪神JF2着、桜花賞3着、オークス3着とG1で勝ち切れないレースが続いていたが、桜花賞馬とオークス馬がいないメンバーでG1初制覇となった。オークスから直行で秋華賞制覇は昨年のアーモンドアイと同じ。社台の外厩で仕上げられた馬に休み明けは関係ないようだ。半姉ノームコアは昨年紫苑Sを好タイムで圧勝したが、体調が整わず秋華賞を使えなかった。クロノジェネシスはその点を考慮してオークスから直行したのだろう。小倉芝1800mを尻上がりラップで勝っており、小回りコースもこなすタイプ。タメれば切れる脚を使えるが、立ち回りの上手さを生かせる小回りコースの適性も高い。次走はエリザベス女王杯に向かう予定。
カレンブーケドールは内めの8番手からメンバー4位の36.2秒で伸びて0.3秒差の2着。直線でダノンファンタジーとクロノジェネシスの狭い間に突っ込んで伸びてきたが、勝ったクロノジェネシスの方がスムーズに進め、かつ切れ味もあるのだろう。スタミナと末脚の持続力を兼ね備えた馬だが、内をロスなく進んだことでその持ち味をフルに生かし切れなかった。オークスは12番人気で2着に入ったが、今回は2番人気で2着。オークスの激走はフロックでないことを証明した。次走はジャパンCに向かう予定。オークスの走破タイム2分22秒8はダービーに0.2秒差の好タイム。デビュー以来最低の53キロで出走できる。
シゲルピンクダイヤは内ラチ沿いの後方で脚をタメ、4コーナーから直線で外に出しメンバー最速の35.6秒で伸びて0.5秒差の3着。ハイペースの展開が嵌まったこともあるが、チューリップ賞と桜花賞で最速上がりで2着に突っ込んだ馬が持ち前の末脚の威力で3着まで追い上げた。距離に不安があるため、和田騎手が道中は内をロスなく回って脚をタメたことが良かったのだろう。体型、気性面を考えるとマイルあたりがベスト。次走はターコイズSに向かうことになりそうだ。
ダノンファンタジーは内ラチ沿いの3番手につけ、直線で伸び切れず1.1秒差の8着。上がりは12位タイの37.3秒。逃げたビーチサンバを交わせなかった。ローズSをメンバー最速の33.1秒で差し切り、1分44秒4のレコードで勝った馬が、渋った馬場、距離延長で全く力を出せなかった。ハイペース&渋った馬場でよりスタミナが問われ、かつ前に行き過ぎたことも影響しているのだろう。川田騎手は昨年のスプリンターズSを勝った以降、G1では[0−5−5−8]で未勝利。G1では過信しないようにしたい。
エスポワールは外枠スタートから後方を進み、勝負どころで押し上げて直線で外からメンバー6位の36.8秒で伸びて1.1秒差の9着。勝負どころで前が詰まって少しズムーズさを欠いたが、直線で伸び切れなかったように現時点では地力負け。今後はまずは自己条件を使ってオープン入りを目指すことになりそうだ。
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