府中牝馬S
レース回顧

スカーレットカラーは後方2番手で脚をタメ、メンバー最速の33.2秒で豪快に差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分44秒5(稍重)は前週の毎日王冠(良)に0.1秒差の好タイム。エイシンティンクルが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。後半5Fは57.8秒で全て11秒台のラップ。高速ラップの持続力と末脚の威力が問われるレベルの高いレースになった。スカーレットカラーは直線半ばで外に出してから強烈な末脚を繰り出して差し切り重賞初制覇。ここにきて馬体が増えてパールS1着、マーメイドS3着、クイーンS2着と本格化を感じさせたが、今回の勝利で完全に本格化した。元々骨格のバランスのいい馬だったが、ようやくG1で通用するレベルに到達したのではないか。次走はエリザベス女王杯。初の芝2200mが課題になるが、今の充実ぶりならクリアしてもおかしくない。

フロンテアクイーンは中団からメンバー3位の34.0秒で伸びて0.2秒差の2着。昨年の府中牝馬Sで好位から1分44秒8で走り、ディアドラ、リスグラシューに0.1秒差の3着に入ったのは、やはりダテではなかった。これで芝1800mで54キロなら[3−4−1−0]で重賞では[1−3−1−0]。大穴馬で狙ったように激走の条件が揃っていたが、前2走惨敗で9番人気の低評価だった。津村騎手は昨日の秋華賞に続き、国枝厩舎の管理馬で2着。今回は勝ったスカーレットカラーが強過ぎた。次走はエリザベス女王杯に向かう予定。

ラッキーライラックは好位からメンバー4位の34.3秒で直線で抜け出したが、最後は切れ負けして2頭に交わされ0.3秒差の3着。これで昨年の桜花賞以降は[0−2−2−3]で勝ち切れないレースが続いている。好位につけていることもあるが、以前より詰めが甘くなっている。ただし今回は休み明けで馬体が16キロ増えていたことも影響したのではないか。次走はスミヨン騎手でエリザベス女王杯に向かう予定。

サトノガーネットは離れた最後方からメンバー2位の33.7秒で伸びて0.9秒差の8着。速い流れで追走に苦労し流れに乗れなかったが、最後に切れる脚を使って8着まで追い上げた。小柄な牝馬でもスタミナがあるため、もっと長い距離が合っている。賞金的に出走できるか分からないが、エリザベス女王杯に出走したら少し注意したい。

プリモシーンは後方から全く伸びずにシンガリの15着。休み明けで馬体が12キロ増えていたが、得意の東京コースでここまで負けるとは考えられない。ヴィクトリアマイルを1分30秒5のレコードで走った後にわざわざハンデG3の中京記念を使った影響があったのではないか。社台の使い分けの影響がモロに出た印象。

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