ジャパンC
レース回顧
スワーヴリチャードはスタートを決めて内ラチ沿いの7番手につけ、直線で最内からメンバー2位の36.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分25秒9(重)。ダイワキャグニーが逃げて前半5F60.3秒、後半5F61.3秒。重馬場で近年とは違う上がりの掛かる消耗戦になった。スワーヴリチャードは内枠から最内をロスなく回って直線で抜け出すロスの少ないレースで快勝。17年のAR共和国杯を勝ったときと同じようなレースぶりだった。左回りは[3−2−2−2]、東京芝2400〜2500mは[1−1−1−0]、渋った馬場は[2−1−0−0]と条件が揃っており、陣営は叩き2戦目で調教で攻めて仕上げ、今年不振のMデムーロ騎手ではなくマーフィー騎手を確保していた。G1は狙って獲るもの。パドック診断で1位評価したように仕上がりの良さも目立っていた。昨年の大阪杯を勝ってから善戦止まりが続いていたが、8戦目でようやく勝利した。成長力あるハーツクライ産駒。これまでのレース経験も糧になったのだろう。次走はデキ落ちがなければ有馬記念に向かう予定。来春はドバイシーマクラシックを目指すことになりそうだ。
カレンブーケドールは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、直線で逃げたダイワキャグニーを交わして先頭に立ったが、内からスワーヴリチャードに交わされて0.1秒差の2着。上がりは5位タイの36.9秒。ディープインパクト産駒で道悪、タフな馬場は得意ではないが、3歳牝馬で最軽量の53キロ、1枠1番から内ラチ沿いをロスなく回ってきたことが良かったのだろう。オークスで先行して早めに動き勝ちに行き、2分22秒8で走って2着に入ったのはダテではなかった。秋は紫苑S、秋華賞を使われたが、引き続き馬体の張りが良く、デキはキープできていた。これで今年のG1は[0−3−0−0]で全て2着。勝ち切れないが、着実にパフォーマンスを引き上げている。次走は状態面次第で有馬記念もあるか。秋3戦したため、来年に備える可能性が高そうだ。
ワグネリアンは馬込みの6番手を進み、メンバー3位の36.6秒で伸びて0.3秒差の3着。勝負どころで前にいたウインテンダネスが下がってきたことで追い出し遅れ、前と離されるロスがあった。最後はしぶとく伸びてきただけにまともなら2着があったかもしれない。パドックではさらに馬体が減って煩かった。昨年のダービーでもチャカついていたが、今年はずっとパドックでチャカついている。次走は未定だが、距離&小回りを考慮すると有馬記念は使わないか。需要あるかは微妙だが、ダービー馬だけに引退種牡馬入りもあるか。
ユーキャンスマイルは後方からメンバー4位の36.7秒で伸びて0.7秒差の5着。道中ロスなく回って直線で外に出して伸びてきたが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。内が伸びる馬場になったこともマイナスに働いている。内でタメればガツンと切れるタイプだけに馬場の回復が遅れたことも堪えた。G1では3、5、4、5着と善戦止まりが続いている。
レイデオロは内めの中団につけたが、勝負どころで行きっぷりが悪くビュイック騎手の手が動き、直線で全く伸びずに2.2秒差の11着。一度使ったことで仕上げは進んでいたが、重馬場が影響したのか本来の走りではなかった。ビュイック騎手は陣営からデビュー以来一番のデキと聞いていたようだ。次走の有馬記念がラストランになる模様。昨年の有馬記念は1番人気に支持され、ブラストワンピースにクビ差の2着。藤沢和厩舎が調教でどこまで攻めてくるのか注目したい。
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