チャンピオンズC
レース回顧
クリソベリルはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、直線でインティとゴールドドリームの間を割ってメンバー2位タイの35.4秒で抜け出しレースを制した。勝ちタイム1分48秒5は優秀。インティが逃げて前半3F36.6秒、5F60.8秒。最初はゆったりだったが、4F目以降は全て12.1秒以下でラスト3Fは12.0−11.6−12.1秒。淀みのない流れでも最後までラップの落ちないレベルの高いレースになった。クリソベリルは好位につけて直線で抜け出す正攻法のレースで古馬G1馬を撃破。メンバー強化、中央の高速決着、速い上がりを全てクリアしてパフォーマンスを引き上げた。3歳馬で古馬より2キロ軽い55キロ、内ラチ沿いの絶好位につけたとはいえ、一旦前に出たゴールドドリームを差して勝ったことを評価したい。これでデビューから6戦6勝。馬体は11キロ増えていたが、ほとんどが成長分か。3歳馬で馬体は本格化しておらず、まだこれから強くなる。東京大賞典、距離が短いフェブラリーSは使わない予定。米G1、サウジカップ、ドバイワールドCなど世界に挑戦していくことになりそうだ。
ゴールドドリームはスタートを決めて5番手につけ、メンバー2位タイの35.4秒で伸びてクビ差の2着。最後にクリソベリルに差されたが、2キロ重い57キロを背負い、外枠スタートから外を回ったことを考えると強いレースをしている。不利な外枠からスタートを決めて好位につけたルメール騎手は相手関係などを分析し、レースが見えているのだろう。さすがの騎乗だった。休み明けの前走南部杯は不甲斐なかったが、叩き2戦目できっちり変わり身を見せた。17年のチャンピオンズCを1分50秒1で勝ったときよりもレベルの高いレースをしており、6歳馬でも全く衰えはない。次走は東京大賞典、またはひと息入れてフェブラリーSになりそうだ。
インティはハナを切って前半5F60.8秒で進み、メンバー9位タイの35.9秒でまとめて0.2秒差の3着。中盤からラップを落とさずに後続を脚を使わさせ、直線で後続を引き離そうとしたが、インティをマークして好位につけたクリソベリル、ゴールドドリームに交わされた。前走みやこSは前半3F34.9秒、5F59.0秒のハイペースで惨敗したが、今回は前半3F36.6秒、5F60.8秒で前が残れる展開だった。それでも1分48秒7で走っており、例年なら勝っていてもおかしくないレベル。フェブラリーS勝ち馬が自分の力は出したが、クリソベリル、ゴールドドリームが強過ぎた。今後はひと息入れて来春の目標はフェブラリーS連覇になりそうだ。
チュウワウィザードは内枠スタートから6番手につけ、メンバー4位タイの35.5秒で伸びて0.3秒差の4着。直線で前が壁になって外に持ち出すロスがあった。3着インティとは半馬身差。直線でもう少しスムーズなら3着があったかもしれない。前走まで6戦連続で川田騎手が騎乗していた馬に1度だけ騎乗したことがある福永騎手。そのあたりも微妙に影響したのだろう。初めて馬券圏内を外したが、1分48秒8で走っており、G1レベルの走りをしている。今年の帝王賞2着馬。次走は東京大賞典になりそうだ。
オメガパフュームは7番手からメンバー9位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の6着。デットーリ騎手がスタートを決めて中団より前につけたが、好位につけた馬にメンバー2位の35.4秒で上がられては厳しかった。昨年のチャンピオンズCは1分51秒1で走って1.0秒差の5着だったが、今年は1分49秒2で走り時計を詰めている。速い上がりを繰り出せる上位馬との適性の差が出たのだろう。心肺機能が高く、タフなレースに強いタイプ。もっと上がりの掛かるレースになれば、中央G1でもやれる。次走は東京大賞典で2連覇を狙うことになりそうだ。
ウェスタールンドは中団の外からメンバー9位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の9着。昨年のチャンピオンズCで最後方からメンバー最速の34.4秒で上がって2着に入った馬。スミヨン騎手が中団の外につけ、あとは直線で昨年の脚が使えればというレースをしたが、直線で切れる脚を使えなかった。直線で手前を替えていなかっとこともあるが、中団につけて勝ちに行ったぶん伸び切れなかったか。昨年の勝ちタイムは1分50秒1、今年は1分48秒5。この馬には時計が速過ぎたか。次走は出走できれば東京大賞典に使ってくるかもしれない。
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