京都金杯
レース回顧

サウンドキアラは内枠スタートから内の4番手につけ、メンバー4位の34.6秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分34秒0。マルターズアポジーが逃げて前半3F34.9秒、5F59.0秒の緩い流れでラスト4Fは11.9−11.9−11.4−11.7秒。昨年10月以来となるAコースで内を通ってある程度前につけた馬が有利になった。サウンドキアラは好位から抜け出す正攻法のレースで快勝。これで京都芝外1600mは[3−1−0−0]。京都巧者が内を通った馬が有利な馬場、前残りの展開、軽ハンデ53キロを味方に重賞初制覇を飾った。過去2年はAコースでも外めの枠から外を通った馬で決着したが、今年は以前の傾向に戻り内を通った馬が有利になった。京都金杯は馬場、展開に左右されやすい傾向がある。武豊騎手で勝ち切れなかった馬が松山騎手に乗り替わって重賞制覇。リスグラシューもそうだが、武豊騎手から乗り替わると一変する馬が多いので注意したい。賞金を加算できたため、今後は阪神牝馬Sあたりを使ってヴィクトリアマイルを目指すことになりそうだ。

ダイアトニックは3枠6番スタートから中団の内を進み、直線で内から捌いてメンバー最速の34.3秒で伸びて0.2秒差の2着。距離1600mに不安があるため、北村友騎手が内をロスなく回って切れ味を引き出した。ただし直線では逆手前のまま走っていた。マイルCSは外枠から外を回って惨敗したが、ロスなく回ればマイルも守備範囲なのだろう。ロードカナロア産駒で馬体の造りが目立つ馬。重賞を使われて少しずつ地力が強化されている。昨年のスワンSで大外一気を決めた馬。安田隆厩舎の管理馬だけに阪急杯から高松宮記念を使う可能性もありそうだ。

ボンセルヴィーソは好スタートからマルターズアポジーにハナを譲って2番手につけ、メンバー9位の35.3秒で伸びて0.4秒差の3着。太宰騎手がスタートを決めて直線で早めに先頭に立って粘らせた。これで京都では[3−1−3−1]で複勝率87.5%。休み明けを除き芝1600m重賞では[0−1−4−0]。前走3勝クラスを勝って昇級戦、近走不振の芝1600mで14番人気だったが、激走する下地はあったか。最近はマイル重賞でダイワメジャー産駒の激走が目立つため注意したい。

ソーグリッタリングは中団の外からメンバー7位の35.1秒で伸びて0.6秒差の4着。直線で外から前を捕まえる勢いで伸びてきたが、ラスト1Fで一杯になった。Aコースで内を通って前に行った馬が有利な馬場&展開で大外18番枠では厳しかった。川田騎手は騎乗馬が不利な枠に入ると覆せないことが非常に多い。不利な枠に入ったときは人気でも軽視する手も一考。

ドーヴァーは中団の後ろからメンバー6位の35.0秒で伸びて1.0秒差の7着。11〜1月は[6−1−2−0]でこの時期走るが、切れより地力タイプで消耗戦に強いタイプ。流れが速くならず前残りの展開では厳しかった。テン乗りの福永騎手が影響したのか、直線で内にモタれてエンジンの掛かりが遅れたことも堪えている。左回りの東京コース、右回りでは消耗戦になりそうなときに注意したい。

カテドラルは後方のまま全く伸びずに2.1秒差の17着。スタート後に挟まれて位置取りが悪くなり、その後は前の馬が跳ね上げた泥を被ったことが影響したのはフワフワして折り合いを欠き、直線で外に出すも全く伸びなかった。仕上がりは良かったが、良発表でも緩い馬場も影響して全く力を出していない。マイネルフラップの国分優騎手が1番人気のカテドラル(武豊騎手)の外からマークしていたのが印象的。こういう騎乗をした騎手は近々重賞で激走するので注意したい。

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