桜花賞
レース回顧

デアリングタクトは中団の後ろを進み、直線で外からメンバー最速の36.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分36秒1(重)。スマイルカナが逃げて前半3F34.9秒、5F58.0秒でレースの上がりは38.1秒、ラップは11.7−12.6−13.8秒。ハイペースで上がりの掛かる消耗戦になった。デアリングタクトは直線に向いたときに前とかなり差があったが、2着レシステンシアを1.6秒上回る強烈な末脚で差し切った。重馬場、ハイペースの消耗戦でかなり厳しいレースになったが、最速上がりで差し切って能力を証明。クラシックで活躍できるとみて相馬眼ニュースで取り上げた馬がデビューから3連勝で桜花賞を制した。距離をこなすタイプ。オークス、秋華賞も勝って無敗の3冠馬が誕生する可能性がある。オークスは今回重馬場で激走した反動がないことが条件。松山騎手は土日重賞連勝。今年重賞6勝は単独トップとなった。

レシステンシアは2番手からメンバー12位の38.2秒でしぶとく伸びて0.2秒差の2着。重馬場でハイペースで飛ばしてラスト3Fは11.7−12.6−13.9秒と一杯になったが、差してきた馬がデアリングタクトしかいなかった。阪神JFを1分32秒7のレコードで5馬身差で圧勝した馬が底力を見せた。1200m通過は1分9秒7だったが、同日の大阪−ハンブルクC(3勝クラス)は1分9秒9だった。レシステンシアはスピード能力が高く、これから馬体がマッチョ化してくるとスプリンターになるのではないか。次走はルメール騎手でNHKマイルCに向かう予定。16年にメジャーエンブレム(ルメール騎手)が逃げ切った(前半5F57.7秒、勝ちタイム1分32秒8)ときのようなレースになりそうだ。

スマイルカナはハナを切ってハイペースで飛ばし、直線でレシステンシに交わされてからもしぶとく粘って0.5秒差の3着。上がりはメンバー14位の38.6秒。この上がりなら差し馬が突っ込んでもおかしくないが、重馬場で消耗戦になり過ぎたこともあるのだろう。母は地力系のダート馬エイシンクールディ。416キロの小柄な牝馬がハイペースで飛ばしてここまで粘ったのだから大したもの。ビッグレッドファームで相当に鍛えられたのだろう。次走はオークスに向かう予定。大逃げがあるかもしれない。

クラヴァシュドールは7番手につけたが、勝負どころで外から来られて13番手に下がり、直線で内からメンバー2位の37.1秒で伸びて0.7秒差の4着。3着スマイルカナの上がりを1.5秒上回ったが、それでも交わせなかった。もう少しスムーズなら3着に来れたのではないか。次走はオークス。ハーツクライ産駒で距離はこなすか。軽い馬場で速い上がりのレースになるようなら注意したい。

ミヤマザクラは好位につけたが、勝負どころで外から来られて位置取りが悪くなり、メンバー6位タイの37.8秒で上がって0.8秒差の5着。福永騎手は3コーナー過ぎからノメりっぱなしだったとコメント。タフな馬場をこなすタイプだが、ここまで悪化すると厳しかったか。次走は武豊騎手でオークスに向かう予定。

フィオリキアリは後方3番手からメンバー3位の37.2秒で馬群を捌きながら追い込んで1.0秒の7着。直線で捌きながら伸びてトップギアに入らなかった。位置取りが後ろ過ぎたが、小柄な牝馬がタフな馬場をこなして能力を示した。キズナ産駒は他馬が苦しくなったところでひと伸びする。賞金的にオークスに出走できるかは微妙だが、出走したら注意したい。

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