フローラS
レース回顧

ウインマリリンは内ラチ沿いの4番手からメンバー2位タイの35.3秒で最内から抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分58秒7。シャンドフルールが逃げて前半5F58.6秒。後半5Fは60.1秒、上がりは35.7秒。向こう正面が追い風で前半の流れが速くなり、最後の直線が強い向かい風で上がりが掛かった。道中馬を前に置いて上手く風をよけ、内をロスなく進めてきた2頭で決着。ウインマリリンは先行して抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。芝2000mを2分4秒0、2分2秒5の遅いタイムで勝った馬が一気に時計を詰めた。最近は遅いタイムで勝ってきた馬が激走するケースが目立つ。切れより地力タイプだけに流れが速くなり、最後の直線が強い向かい風で上がりが掛かったことが良かったのだろう。これで芝2000mは3戦3勝となった。次走はオークス。スクリーンヒーロー産駒で距離をこなせる。横山武騎手は10Rを13番人気、11Rを4番人気、12Rを12番人気で3連勝。今年25勝でリーディング11位。社台の評価が高まれば、今年は100勝に手が届くかもしれない。

ホウオウピースフルは内の5番手からメンバー2位タイの35.3秒で馬群を割って伸びクビ差の2着。レーン騎手が内でタメて直線で狭いところを捌いて持ってきた。前走クイーンCは初めての速い流れで不甲斐ない内容だったが、距離延長で走りが一変した。ただしまだ少し折り合いに課題がある。切れより地力タイプだけに流れが速くなり、直線が強い向かい風で地力勝負になったことが良かったのだろう。調教診断で1位に評価したように仕上がりは良かった。次走はオークス。ブラストワンピースの半妹。距離延長でパフォーマンスアップがありえる。

フアナは中団からメンバー最速の35.2秒で伸びて0.1秒差の3着。ヒューイットソン騎手が外枠から馬群に入れてロスなく進め、脚をタメることができた。直線でごちゃつくロスがあり、そこがスムーズなら勝っていたかもしれない。角居厩舎のルーラーシップ産駒で近親にエスポワールがいる。416キロの小柄な馬だが、運動神経が良く絶対能力が高い。相馬眼的にこういう馬は重賞を勝つことが多い。オークスの権利は獲れなかったが、大事に使っていけば牝馬重賞で活躍できる馬になるのではないか。

ショウナンハレルヤは外枠スタートから中団の外につけ、メンバー4位の35.4秒で伸びて0.4秒差の4着。これまで2勝は2番手から抜け出したもの。今回は不利な外枠から差すレースになったが、それでも大崩れしなかったように力をつけている。キズナ産駒は他馬が苦しくなってからひと伸びする馬が多い。人気にならないタイプ。どこかで穴をあけそうだ。

スカイグルーヴは7番手からメンバー8位タイの35.8秒で上がって0.6秒差の5着。馬体が14キロ減って腹が少し巻き上がっていた。直線で前に馬がおらず、強い向かい風をモロに受けたことが、小柄な馬だけに余計に堪えたか。調教で速いタイムを出していないのは食いが悪いせいか。体型的に距離は1800mくらいが合っている。

レッドルレーヴは好位からメンバー12位の36.2秒で上がって0.8秒差の7着。位置取りは悪くなかったが、外を回って強風をモロに受けたことが影響したのか最後に一杯になった。流れると距離2000mは微妙に長いのかもしれない。

エレヴァテッツァは出遅れて最後方から内を突いたが、直線でスムーズさを欠き11着。出遅れてまともに走らなかった。1枠1番から好位につければもっとやれたのではないか。フラガラッハの半弟で素質は高い。馬体がパンとすれば走ってくる。

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