NHKマイルC
レース回顧
ラウダシオンは2番手につけ、メンバー4位の34.4秒でレシステンシアを交わしてレースを制した。勝ちタイムは1分32秒5。レシステンシアが逃げて前半3F34.1秒、5F58.0秒。5F目に12.0秒に緩んでラスト3Fが11.3−11.2−12.0秒。Mデムーロ騎手とルメール騎手が騎乗した社台の2頭が前残りの展開を作り出し、そのまま粘り込んだ。前走ハイペースになった重賞である程度前につけて2着に入った馬が1〜3着を独占した。ラウダシオンは前走ファルコンSでハイペースで先行してシャインガーネットに差されたが、他馬より重い57キロを背負っていた。今回はシャインガーネットとは3→2キロ差。これまで前半5F57秒台では[0−1−1−1]、58秒以上では[3−0−0−0]。流れが緩むと高速ラップでまとめる持ち味をフルに発揮した。今年初年度のリアルインパクト産駒が初めて重賞を制した。父リアルインパクトはNHKマイルC3着の後に安田記念を制している。今後は休養して秋のマイルCSを目指すことになりそうだ。
レシステンシアは前半3F34.1秒、5F58.0秒で逃げ、メンバー9位タイの34.7秒で上がって0.2秒差の2着。マイペースに持ち込んだが、ラスト1F12.2秒に落ち、ラウダシオンに切れ負けした。もっと飛ばしてスピードの絶対値の高さを生かし切れれば勝てたかもしれないが、ルメール騎手はテン乗りだっただけに無謀なことはせず、崩れない乗り方をしたのだろう。桜花賞は8枠17番だったが、今回は2枠3番で楽にハナを切れたことも良かったのだろう。今後は休養して秋に備える予定。スピードはあるが、決め手がないことがネックになるかもしれない。馬体が成長してマッチョ化するとスプリンターになる可能性がある。今年の牡馬混合3歳マイル重賞は4レース行われたが、シンザン記念は1着サンクテュエール、ニュージーランドTは2着シーズンズギフト、アーリントンCは2着ギルデッドミラー、NHKマイルCは2着レシステンシアが牝馬。朝日杯FSを勝ったサリオス(牡馬)がマイル路線に来なかったことで牡馬のレベルが低いのではないか。
ギルデッドミラーは好位の内からメンバー3位の34.2秒でしぶとく伸びて0.3秒差の3着。レシステンシアの上がりを0.5秒上回ったが、交わすところまでいかなかった。ハイペースでひと脚使えるタイプだけにもっと流れが速くなっていれば勝ち負けできたのではないか。前走アーリントンCは外を回って内を通ったタイセイビジョンに2馬身をつけられたが、今回は2頭とも内を通ってギルデッドミラーがハナ差先着した。まだ完成度は高くなくこれから成長する馬。来年のヴィクトリアマイルに向けて注目していたい。
タイセイビジョンは1枠2番からラチ沿いの3番手につけ、メンバー5位の34.5秒で上がって0.3秒差の4着。前走アーリントンCで2馬身差をつけたギルデッドミラーに先着された。前に行ったぶん伸び切れなかったが、いつものように控えていたら流れを考えると届かなかったのではないか。マイルでも結果を出しているが、ベストは芝1400m以下。今後はひと息入れて立て直す予定。
ルフトシュトロームは出遅れて後方からメンバー2位の34.0秒で追い込んで0.5秒差の5着。前残りの展開で出遅れて位置取りが悪くなり、直線で前が詰まって追えたのはラスト1Fだけ。上がりは勝ち馬を0.4秒、2着馬を0.7秒上回っている。もう少しまともなレースができれば上位争いできたのではないか。まだ能力に馬体が追いついていない。相馬眼的に秋になって馬体がパンとすればG1を狙える馬になる。本格化を楽しみに待ちたい。
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