エルムS
レース回顧

タイムフライヤーは外枠スタートから中団を進み、勝負どころで外から押し上げ、メンバー2位タイの35.7秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分43秒4。リアンヴェリテが逃げて前半4F48.9秒、5F61.1秒の緩い流れ。最後までラップが落ちず、末脚の持続力が問われるレースになった。タイムフライヤーは勝負どころで外からウェスタールンドに来られたが、そこまでタメて乗れたことで直線でひと伸びして振り切った。前走マリーンSを3馬身半差で圧勝した馬が1番人気でダート重賞初制覇。良馬場、緩い流れで高速決着にならなかったことも良かったのだろう。ルメール騎手はヴィクトリアマイルのアーモンドアイ以来の重賞勝利となった。今後は武蔵野SからチャンピオンズCに向かうことになりそうだ。

ウェスタールンドは離れた最後方を進み、勝負どころで一気に捲ってメンバー最速の35.5秒で上がり0.3秒差の2着。強引に捲り切らなかったのは、4コーナーで前に同馬主のタイムフライヤーがいたこともあるか
。タイムフライヤーより1キロ重い57キロを背負っていた。前半5F5F61.1秒の前残りの展開で最後方から突っ込んだように末脚の持続力と威力は相当なものある。秋のG1を狙っているため、今回は調教で攻めておらず、馬体8キロ増で少し余裕残しの仕上げだった。今後は一度使ってチャンピオンズCを目指すことになりそうだ。

アナザートゥルースは2番手から早めに先頭に立ち、メンバー6位タイの36.5秒で上がって0.4秒差の3着。58キロを背負っていたが、ダート得意な大野騎手が前に行って粘らせた。アンタレスSで負けたウェスタールンドには0.3秒差から0.1秒差に詰めている。もっと長い距離の方が合うタイプ。今後も重賞戦線で相手なりに走りそうだ。

ハイランドピークは3番手からメンバー8位の36.6秒で上がって0.6秒差の6着。これでエルムSでは1着(重)、2着(稍重)、4着(良)。例年より流れが緩み、良馬場での速い上がりに対応できなかった。ダートで稍重以上では[3−4−2−2]。雨で馬場が渋って脚抜きが良くなったら要注意。

エアスピネルは6番手からメンバー6位タイの36.5秒で上がって0.7秒差の7着。好位で流れに乗っていたが、直線で伸び切れなかった。前走プロキオンS2着は稍重の軽い馬場。武豊騎手は「もっと締まった馬場の方がいい」とコメントしている。調教が地味だったように久々で激走した反動もあったのではないか。

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